FedEx硬式野球部

FedEx硬式野球部

FedEx硬式野球部（フェデックスこうしきやきゅうぶ）は、長野県塩尻市を登録上の本拠地とする社会人野球の企業チームです。国際物流事業を展開するフェデラルエクスプレスジャパン合同会社がチームを運営しています。特筆すべきはその活動形態で、登録上の本拠地は長野県塩尻市ですが、実際には専用の練習グラウンドや合宿所を持たず、主に首都圏内の野球場を利用して練習を行っています。

チームの歩み

チームの歴史は1998年に始まります。国際物流大手であるフェデックスの日本法人が、『オールフェデックス』として創部し、当時はクラブチームとして日本野球連盟に新規登録されました。創部間もないながらも着実に力をつけ、2000年には全日本クラブ野球選手権大会に初めて出場を果たし、見事にベスト8まで勝ち進む活躍を見せました。

翌2001年、チームは大きな転換期を迎えます。日本野球連盟における登録種別をクラブチームから企業チームへと変更し、チーム名も『フェデックス硬式野球部』と改めました。これにより、より高みを目指す社会人野球チームとしての活動を本格化させていきます。

全国大会への挑戦

チームが所属する北信越地区は、社会人野球の全国大会、特に社会人野球日本選手権大会への出場枠が例年わずか1チームという狭き門です。この厳しい環境に加え、チームが選手の外部補強に積極的ではないという方針もあり、長年にわたりNTT信越（現在の信越硬式野球クラブ）、NTT北陸（廃部）、TDK千曲川（廃部）、バイタルネットといった地区内の有力企業チームの陰に隠れる時期が続きました。

しかし、粘り強いチーム運営と地道な強化が実を結びます。2015年の社会人野球日本選手権北信越地区予選では、代表決定戦で伏木海陸運送（富山県）を破り、ついにチームにとって念願であった社会人野球日本選手権大会への初出場権を獲得しました。この快挙は、チームにとって大きな節目となりました。

その後も全国大会への挑戦は続き、これまでに社会人野球日本選手権大会には合計3回出場しています。また、2021年にはチーム名をアルファベット表記の『FedEx』に改称し、新たなチーム名で活動を続けています。

主な大会成績と在籍選手

FedEx硬式野球部が主要大会で記録した成績は以下の通りです。

社会人野球日本選手権大会: 出場3回
全日本クラブ野球選手権大会: 出場1回（2000年）、最高成績ベスト8

また、チームにはかつてプロ野球経験者が在籍したこともあります。元ヤクルトスワローズやオリックス・ブルーウェーブで活躍した副島孔太氏は、2007年から2009年にかけてコーチ兼内野手としてチームに貢献しました。同時期には、元オリックス・バファローズの投手であった野村宏之氏も選手として在籍していました。かつてチームに在籍した主な選手としては、外野手の大谷尚徳氏が挙げられます。大谷氏は2009年にチームを退団後、ベースボール・チャレンジ・リーグの複数球団でプレーを続け、現役生活を終えました。

塩尻市を登録上の本拠地としながらも、首都圏を拠点に活動を展開するFedEx硬式野球部。国際的な企業名を背負い、全国大会出場を果たすなど、社会人野球界で独自の存在感を示しています。企業チームとして、今後もどのような活躍を見せるか注目が集まります。

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