Fiesta (今井美樹のアルバム)

fiesta

『fiesta』（フィエスタ）は、日本の歌手、今井美樹が初めてリリースしたカバー・アルバムです。1988年12月7日に、当時のフォーライフ・レコード（現在のフォーライフミュージックエンタテイメント）から発売されました。

概要

本作は、今井美樹自身が深く敬愛する海外アーティストたちの楽曲を厳選し、新たにカバーした企画盤として制作されました。特に、カーペンターズ、マイケル・フランクス、ミニー・リパートンといった、1970年代から80年代にかけて隆盛を極めたAOR（Adult Oriented Rock）系のサウンドを中心とした楽曲が多数収録されています。アルバムの帯には、「MIKI・IMAI SPECIAL ALBUM」という文字が記され、その特別感を強調していました。

発売形態は多岐にわたり、一般的なCD、LPレコード、カセットテープに加え、音質の優れたGOLD CDも3万枚の数量限定で同日発売されました。さらに、過去にリリースされていた今井美樹のオリジナルアルバム3作品も、それぞれ2万枚の完全限定生産となるGOLD CD仕様で同時にリリースされ、話題を呼びました。

アルバム収録曲の中で、10曲目に収められている「ひとりでX'mas」は、今井美樹自身が作詞・作曲を手掛けた書き下ろし楽曲です。この曲は、本作のために特別に制作されたものであり、インストゥルメンタル楽曲を除けば、今井自身が作曲を担当した唯一の楽曲として特筆されます。

アルバムタイトルの「フィエスタ」は、スペイン語で「祭り」「祝祭」「祝日」といった意味合いを持ち、敬愛するアーティストたちの楽曲を歌う喜びや、この企画盤の持つ celebratory な雰囲気を表現していると考えられます。

収録曲と解説

このアルバムには、以下の楽曲が収録されています。

Prelude (Instrumental)
佐藤準氏による作曲のインストゥルメンタル楽曲。
(They long to be) Close to you
リチャード・チェンバレンのオリジナルですが、特にカーペンターズによるカバーバージョンが世界的に有名です。コーラスには、丸山圭子氏が参加しています。
The lady wants to know
AORシーンを代表するシンガーソングライター、マイケル・フランクスの楽曲です。
Reunited
ソウルデュオ、ピーチズ&ハーブのヒット曲です。
Feel like makin' love
ソウルシンガー、ロバータ・フラックの代表曲の一つです。
Snow falling thick and slow (Instrumental)
今井美樹自身が作曲を手掛けたインストゥルメンタル楽曲です。
Lovin' you
美しいハイトーンボイスで知られるミニー・リパートンの有名な楽曲です。
Superstar
デラニー&ボニーのオリジナルですが、カーペンターズによるカバーが特に広く知られています。この楽曲には、桑名晴子氏と坪倉唯子氏がコーラスで参加しています。
Company〜Epilogue
「Company」はリッキー・リー・ジョーンズの楽曲、「Epilogue」は佐藤準氏が作曲したオリジナル楽曲です。
ひとりでX'mas
今井美樹自身が作詞・作曲を担当した、このアルバムのためのオリジナル楽曲です。

敬愛するアーティストたちの名曲を、今井美樹ならではの透明感あふれる歌声で表現した本作は、当時の音楽シーンにおいても注目を集めました。オリジナル曲の収録や限定盤のリリースなど、企画盤として様々な趣向が凝らされており、ファンにとって特別な一枚となっています。

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