Firefox Portable

Mozilla Firefox, Portable Edition（旧称：Portable Firefox、通称：Firefox Portable）は、ジョン・T・ハラー氏によって開発された、Mozilla Firefoxのリパッケージバージョンです。このバージョンは、WindowsやWineが動作するUnix環境で、USBメモリやCD-ROMなどのポータブルデバイスからFirefoxを起動できるように設計されています。最大の特長は、コンピュータにFirefoxをインストールする必要がないため、ハードディスクにインストールする通常のバージョンで残ってしまう可能性のある個人情報を一切残さない点です。

対応OS

Windows 7、8、10、11、そしてUnix系システム上のWineで動作します。初期バージョンでは、Microsoft Windows 98、Me、PE XP、2000にも対応していましたが、最新バージョンではWinPE XPやBartPE XPとの互換性に問題が生じています。ただし、バージョン2.0.0.20以前のバージョンではこれらの旧OSでも動作します。

Mozilla Firefoxとの違い

Firefox Portableは、通常のMozilla Firefoxとほぼ同等の機能を提供します。エクステンションや自動アップデートなど、Firefoxの全機能を利用可能です。さらに、フラッシュドライブへの書き込み回数を減らすための改良が施されています。過去のバージョン2.0では、ウェブキャッシュやブラウザ履歴機能が削除されていましたが、現在は改善されています。また、Mozillaとのライセンス契約に基づき、終了時にクッキーやダウンロード履歴を削除する機能はデフォルトでオフになっています。

個人設定、ブックマーク、インストールされたエクステンションやテーマは、Firefox Portableが保存されているフラッシュドライブに保存されます。これにより、ユーザーはアプリケーションの設定を失うことなく、異なるコンピュータ間を移動できます。通常、FlashやShockwaveといったプラグインはインストールできませんが、ローカルインストールからプラグインファイルを適切なポータブルフォルダにコピーすることで使用可能です。

主な機能

ランチャー: 外部プログラム(MIMEタイプ)のパス調整、ローカルホームページ向けのパス調整、ドライブを移行するためのコンポーネントレジストリの再生成、特定のインスタンスにおけるレジストリキーのバックアップと復元、フォルダとディレクトリのクリーンアップ、非ポータブルエクステンションのポータブル化のための設定調整など、多様な機能を実行します。
デフォルトプロファイル: Firefoxのディレクトリにあるデフォルトプロファイルをポータブル版に最適化します。
既定ブラウザチェック: 起動時にFirefoxが既定ブラウザになっているかどうかのチェックをスキップします。
ダウンロードプロンプト: ファイルダウンロード時に確認ダイアログを表示します。
ディスクキャッシュなし: ディスクサイズや書き込み回数を減らすため、ブラウザキャッシュを保存しません。
アップデートプロンプト: フラッシュドライブ上でのブラウザアップデートに時間がかかるため、アップデートの有無をユーザーに確認します。

問題点

アドオンやエクステンションのインストールに時間がかかる場合があります。
フラッシュドライブへの頻繁な読み書きは、ドライブの寿命を縮める可能性があります。
以前は複数のプロファイル保存に対応していませんでしたが、PortableApps.comが複数のプロファイル保存に対応したバージョンをリリースしました。

関連情報

Mozilla Firefox
PortableApps.com

外部リンク

Firefox Portable Website

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