FishBase

FishBase：世界を網羅する魚類情報データベース

FishBaseは、海洋生物学の進歩に大きく貢献している、世界規模の魚類情報データベースです。3万種を超える魚類に関する詳細な情報、数十万に及ぶ様々な言語での一般名、そして数万点もの高画質画像、さらには関連する数多くの科学論文を収録しています。まさに、魚類に関するあらゆる情報を網羅した、比類のないデータベースと言えるでしょう。

FishBaseの誕生と発展

FishBaseの起源は、1987年に海洋生物学者であるダニエル・ポーリー博士による構想に遡ります。国際水産資源管理センターのプロジェクトの一環として、魚類に関する普遍的なデータベースの必要性を提唱したポーリー博士は、魚類の幼生分類の専門家であるライナー・フローゼ氏と共に、この大規模なプロジェクトに着手しました。当初はDataEaseというデータベース管理システムを用いて開発が進められ、その後、1989年には助成金を得て、開発はさらに加速しました。

1993年には、Microsoft Accessへの移行を行い、1995年には最初のデータベースであるFishBase 100がCD-ROMでリリースされました。その後、毎年更新版がリリースされ、2004年にはCD5枚分（DVD1枚分）もの容量に達するほど、情報量は飛躍的に増加しました。当初はWindows環境でのみ利用可能でしたが、1996年にはインターネット上に公開され、世界中からアクセス可能となりました。1999年には、魚類の幼生や飼育に関する情報を特化したLarvalBaseも加わり、CD-ROM版に収録されていた全てのデータがオンラインで利用できるようになりました。

現在、FishBaseはFishBaseコンソーシアムによって運営されており、世界中の大学、研究機関、そして国際機関など、1700人以上の専門家たちが、データの収集、検証、更新に携わっています。情報の信頼性を確保するため、全てのデータは既に発表された学術論文などの信頼できる情報源に基づいており、未発表のデータは一切収録されていません。この厳格なデータ管理体制が、FishBaseの高い信頼性を支えています。

FishBaseを支える組織：FishBaseコンソーシアム

FishBaseコンソーシアムは、世界各地の主要な研究機関や大学から構成されています。そのメンバーには、[王立中央アフリカ博物館]]、テッサロニキ・アリストテレス大学、ブリティッシュコロンビア大学水産センター、国際連合食糧農業機関]、[[クリスティアン・アルブレヒト大学キール ライプニッツ海洋学研究所(IFM-GEOMAR)、国立自然史博物館（フランス）、自然歴史博物館（スウェーデン）、世界魚類センター、中国水産科学研究院(CAFS)などが含まれ、まさに国際的な協力体制によってFishBaseは運営されています。

FishBaseの未来

FishBaseは、単なるデータベースにとどまらず、魚類学研究、水産資源管理、そして海洋生態系の保全に不可欠なツールとして、世界中の研究者や関係者から高く評価されています。今後も、コンソーシアムを中核とした国際的な協力体制の下、継続的なデータ更新と機能拡張が行われ、より多くの情報を提供し続けることが期待されています。その発展は、海洋環境の保全と持続可能な水産資源管理への貢献に繋がるでしょう。

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