Fox Engine

フォックスエンジン（Fox Engine）の詳細解説

フォックスエンジンは、小島プロダクションが将来のゲーム開発のために独自に開発した、クロスプラットフォーム対応のゲームエンジンです。このエンジンは、ゲーム開発の効率化とグラフィック品質の向上を目的として設計され、複数のプラットフォームでのゲーム開発をスムーズに行うことを目指しています。また、開発初期から「世界一のエンジン」を作るという目標が掲げられていました。

概要

フォックスエンジンの開発は、『メタルギアソリッド4』の開発完了後から始まりました。開発チームは、既存のツールやエンジンに頼るのではなく、ゼロから新しいエンジンを開発することを選択しました。これは、既存のツールが時代遅れになっており、新しい技術に対応するためには独自のエンジンが必要だと判断したためです。

このエンジンの名前は、メタルギアシリーズに登場する架空の軍事部隊「Force Operation X」の頭文字から取られました。また、小島プロダクションのロゴがFOXのエンブレムを基にしていることからも、このエンジンに対する強い思い入れが感じられます。

開発の歴史

2011年

2011年のE3では、ジャングルを舞台にしたデモが公開され、エンジンのグラフィック能力が示されました。このデモには、若者、馬、犬などが登場し、リアルな環境が表現されました。このデモは、エンジンの開発状況を示すためのものであり、実際のゲームではありませんでした。また、小島プロダクションは、以後のすべてのタイトルでこのエンジンを使用すると発表しました。

同年8月には、フォックスエンジンで作成された顔のテスト画像が公開されました。さらに、南カリフォルニア大学での講演では、森林環境を表現するデモが行われ、エンジンの高度なレンダリング能力が示されました。12月には、布の透過表現を含む新しい画像が公開され、エンジンの進化が伺えました。

2012年

2012年3月には、「Fox Engine Lighting Sample」と題された画像が公開され、どちらの画像がフォックスエンジンで作成されたのかというクイズが出されました。正解は、よりリアルなライティング表現が施された画像でした。また、この画像には、テーブルの周りに浮かぶオブジェクトや、部屋に入ってくる馬が描かれており、エンジンの柔軟性が示されました。

同月には、『ZONE OF THE ENDERS』シリーズの次回作がフォックスエンジンで開発されることが発表されました。また、小島秀夫は、フォックスエンジンがPS3、Xbox 360、そして最新のPC上で動作していることを明かしました。

さらに、同月には、『ファントム・ペイン』というタイトルのゲームのスクリーンショットが公開され、その中にフォックスエンジンのロゴが含まれていました。その後、『ファントム・ペイン』は『メタルギアソリッドV』であることが明かされ、フォックスエンジンの能力を一般に観察させるために、メタルギアシリーズとは関係のないプロジェクトとして発表されていたことが説明されました。

2015年

2015年9月、フォックスエンジンのワールドワイドテクニカルディレクターがコナミを退社したことが発表されました。

主な機能

フォックスエンジンは、編集結果がリアルタイムに反映される機能を備えています。これにより、開発者は変更をすぐに確認しながら作業を進めることができます。また、物理ベースライティングを採用しており、より現実世界に近いライティングを再現することができます。

フォックスエンジンを使用している主なゲーム

フォックスエンジンは、その高度な機能と開発効率の高さから、多くのゲームタイトルで採用されています。具体的なタイトルについては、後述の「脚注」セクションを参照してください。

まとめ

フォックスエンジンは、小島プロダクションが長年のゲーム開発で培ってきた技術とノウハウを結集した、高性能なゲームエンジンです。その開発の歴史と搭載された機能から、このエンジンがゲーム業界に与えた影響は計り知れません。

脚注

フォックスエンジンを使用しているゲームタイトル一覧については、こちらを参照してください。

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