ZONE OF THE ENDERS

ゾーンオブエンダーズ：22世紀の宇宙を舞台にしたロボットアクションシリーズ

『ZONE OF THE ENDERS』（ゾーンオブエンダーズ、略称：Z.O.E）は、コナミデジタルエンタテインメント（旧コナミコンピュータエンタテインメントジャパン）が開発・販売したPlayStation 2用ゲームソフト『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』とその続編、外伝作品、そして世界観を共有するアニメーション作品群の総称です。

シリーズの概要

本作は、人間が搭乗する巨大な高機動人型ロボット「オービタルフレーム」を操縦し、宇宙空間やコロニーを舞台に戦うアクションゲームです。日本のSFロボットアニメーションから強い影響を受けており、キャラクターデザインやストーリー展開にもその特色が色濃く反映されています。

ゲームシリーズは、小島秀夫氏プロデュース、新川洋司氏メカニックデザインという『メタルギアシリーズ』でおなじみのスタッフ陣によって制作されました。シリーズ初期の開発はコナミコンピュータエンタテインメントジャパンで行われ、コナミ株式会社への吸収合併後も、小島プロダクション（後のコナミデジタルエンタテインメント第3制作本部第8制作部）によってIP運営が続けられました。

『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』以降、長らく新規展開が休止状態となっていましたが、2012年にはゲーム作品とアニメーション作品のリマスター版がリリースされ、新たな展開が期待されました。しかしながら、HDリマスター版における技術的な問題や市場の反応等を鑑み、続編開発は一時凍結されました。

シリーズの歴史

2001年、PlayStation 2用ソフト『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』が発売され、大きな話題を集めました。同時期にはOVA『Z.O.E 2167 IDOLO』とテレビアニメ『Z.O.E Dolores, i』も公開され、メディアミックス戦略によって作品世界への没入感を高める試みがなされました。

その後、2003年にはPlayStation 2用ソフト『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』が発売され、シリーズは新たな展開を迎えます。本作では、前作を上回るグラフィック表現やゲームシステムが採用され、多くのプレイヤーを魅了しました。

2004年から2011年にかけては、シリーズの新規展開は休止状態となりますが、2011年には東京ゲームショウでシリーズ再起動が正式に発表され、HDリマスター版の制作と2012年中のリリースが明言されました。

2012年5月には続編開発プロジェクト「エンダーズプロジェクト」の開始が発表されましたが、同年9月にはHDリマスター版の技術的な問題（PS3版の処理落ち問題）を踏まえ、開発の方向性が修正され、正統続編の開発へとシフトしました。

2012年10月には、PS2版『Z.O.E』と『ANUBIS』をHDリマスターした『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』がPlayStation 3とXbox 360向けにリリースされました。しかし、PS3版における処理落ちの問題が大きな課題となり、エンダーズプロジェクトは一時凍結、その後発展的解消に至ります。

2018年には、PS4およびPC向けに『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS: M∀RS』がリリースされ、VRモードにも対応しました。

作品世界

物語の舞台は、22世紀の太陽系です。人口問題や環境問題の深刻化を背景に、人類は地球周辺の宇宙空間に生活圏を拡大し、火星へのテラフォーミングや木星圏への進出を進めていました。しかし、地球、火星、木星圏の居住者間には差別や対立が存在し、政治的な緊張状態が続いていました。

火星では、国連宇宙軍(UNSF)と火星側のレジスタンス組織「バフラム」が対立しており、その中でオービタルフレームは、地球側と火星側の勢力バランスを大きく変える存在となります。

主要作品

ZONE OF THE ENDERS Z.O.E

木星の衛星軌道上に浮かぶコロニー「アンティリア」を舞台に、偶然にも新型オービタルフレーム「ジェフティ」を操ることになった少年レオ・ステンバックと、バフラムとの戦いを描いた物語です。

ANUBIS ZONE OF THE ENDERS

『Z.O.E』の2年後を舞台に、元バフラム軍人ディンゴ・イーグリットがジェフティを操縦し、かつての上官ノウマンとの決着をつけるため、戦いに身を投じる物語です。

Z.O.E 2173 TESTAMENT

火星と地球を往復する移民船で働く主人公ケイジ・ミッドウェルが、謎の少女ミオナ・オルデランや機体「テスタメント」と共に、反地球レジスタンス組織BISの一員として行動する外伝作品です。

登場兵器

シリーズを通して、多様なオービタルフレームやLEV（作業用ロボット）が登場します。それぞれに個性的なデザインと能力を持ち、戦闘における戦略的な選択をプレイヤーに要求します。中でも、ジェフティとアヌビスは、シリーズを象徴する最強機体として知られています。

音楽

『Z.O.E』シリーズの音楽は、複数の作曲家によって手がけられており、それぞれの作品に独特の雰囲気をもたらしています。特に『ANUBIS』の主題歌『Beyond the Bounds』は、高い人気を誇ります。

まとめ

『ZONE OF THE ENDERS』シリーズは、魅力的なメカニックデザイン、奥深いストーリー、そして独特の世界観が融合した、高い完成度を誇る作品群です。HDリマスター版のリリースや、過去作の再評価など、今もなお多くのファンを魅了し続けており、今後の展開にも期待が高まります。

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