Friends もののけ島のナキ

『friends もののけ島のナキ』：最先端技術と感動の物語

2011年12月17日、東宝系にて公開された3DフルCGアニメーション映画『friends もののけ島のナキ』（英題：Friends: Naki on Monster Island）は、浜田廣介の児童文学『泣いた赤鬼』を基にしたファミリーファンタジー作品です。監督は『ALWAYS 三丁目の夕日』などで知られる山崎貴氏で、同氏が3DCGアニメーション映画を手掛けたのは本作が初めてでした。

画期的な技術とリアリティ

本作は、従来のアニメーション制作とは異なる手法を取り入れることで、高いリアリティと臨場感を追求しています。多くのアニメーション作品では完成した映像に声優が声を吹き込む「アテレコ」が一般的ですが、『friends もののけ島のナキ』では、まず声優によるセリフ収録を行い、アドリブを含めた口元の動きを綿密に分析。そのデータに基づいてキャラクターの表情や口の動きを制作しました。

さらに、キャラクターの大きな体の動きに関しては、声優とは別にスタントマンによる演技をモーションキャプチャーで収録。声優の演技と同様、細やかな分析を行い、自然で滑らかな動きを実現しています。フルCGアニメーションでありながら、一部の背景には実写のジオラマを合成するなど、細部へのこだわりも光ります。

キャッチコピーは「どこまでも、きみのともだち」「霧に隠された海の向こうには、不思議なもののけの棲む島があった――。」と、物語の世界観を端的に表しています。全国334スクリーンでの公開時には、初日2日間で興行収入1億4,223万7,830円、動員10万3,886人を記録。映画観客動員ランキングで初登場第4位を獲得するなど、高い人気を博しました。ぴあ初日満足度ランキングでも第2位にランクインし、観客動員ランキングだけでなく、観客の満足度も非常に高かったことがわかります。

ストーリー：もののけ島での友情

物語は、人間の赤ん坊「コタケ」が迷い込んだ「もののけ島」から始まります。島には、200年前に人間に追われたもののけたちが暮らしており、主人公の赤鬼「ナキ」と青鬼「グンジョー」はコタケの面倒を見ることに。最初は反発し合う二人でしたが、次第にかけがえのない友情を育んでいきます。しかし、コタケの母親を思うナキの優しさから、もののけの掟を破り、コタケを人間の村へと送り届けます。再びコタケに会いたいと村を訪れたナキでしたが、人間ともののけの間に横たわる壁を痛感することになります。

多彩なキャラクター

本作には、個性豊かなもののけたちが数多く登場します。200年前に人間に追われ、島にひっそりと暮らす彼らは、キノコを主食とし、戦闘能力を持たないものがほとんどです。人間に知られることを恐れており、「迷い込んだ人間を島から出してはいけない」という掟を厳守していました。

主人公のナキは、200年前に母親を人間に殺された過去を持ち、人間を深く憎んでいます。しかし、コタケとの出会いを通して、次第に心を開いていきます。一方、グンジョーは、お調子者でナキを支える存在です。他にも、ゴーヤ、ネコ、かまいたち、一反木綿、カメ小僧など、様々な姿をしたもののけたちが物語を彩ります。

人間側には、コタケとその兄、そしてコタケの母親が登場します。コタケの兄は、母親の病気を治す薬草を探してもののけ島に足を踏み入れ、ナキたちと出会います。また、コタケたちの住む村には、もののけに詳しい老婆も登場し、物語に深みを与えています。

スタッフとキャスト

豪華な声優陣にも注目です。ナキ役には香取慎吾氏、グンジョー役には山寺宏一氏、さらに阿部サダヲ氏、YOU氏など、実力派俳優陣が多数参加しています。主題歌はMISIAの「Smile」。

監督は山崎貴氏、脚本も山崎貴氏。音楽は佐藤直紀氏が担当しました。製作には東宝、小学館、テレビ朝日など、多くの企業が関わっています。

受賞と関連作品

『friends もののけ島のナキ』は、第36回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、高い評価を得ています。また、香取慎吾氏主演の映画『西遊記』と関連付けられ、モーションキャプチャー技術を用いた表現方法が話題になりました。

本作は、最先端技術と心温まる物語、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす、忘れられない感動体験を提供する作品です。

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