Front breaking

林原めぐみ シングル「Front breaking」詳細解説

2009年2月18日、スターチャイルドレーベルより発売された林原めぐみ36枚目のシングル「Front breaking」。本楽曲は、テレビアニメ『スレイヤーズEVOLUTION-R』（AT-X放送）のオープニングテーマとして使用され、多くのファンに親しまれています。

作品概要

本作は、林原めぐみにとって2009年第1弾シングルという位置づけであり、前作「Plenty of grit」に続く『スレイヤーズ』シリーズ主題歌シングルとなっています。オープニングテーマ「Front breaking」とエンディングテーマ「砂時計」、そしてそれぞれのオフボーカルバージョンが収録されています。

作詞は林原めぐみ自身（MEGUMI名義）が担当し、作曲・編曲には佐藤英敏、五島翔、矢吹俊郎といった、林原めぐみ作品でお馴染みのスタッフが参加しています。特に、佐藤英敏氏による作曲は、その後2020年リリースの『スレイヤーズMEGUMIXXX』収録「two thumbs up!」まで途絶えることになります。

初回生産分は、デジパック仕様という特別仕様。ジャケットデザインにもこだわりが凝らされており、前作「Plenty of grit」のジャケットを林原めぐみ本人が破り進むという、タイトル「Front breaking」（正面突破）を視覚的に表現した、印象的なデザインとなっています。

発売プロモーションとして、キングレコード所属の後輩声優のラジオ番組へのメッセージ送付や、JR東日本秋葉原駅での看板広告展開など、多角的なアプローチが行われました。なお、秋葉原駅広告では、修正箇所が確認されている点が興味深い点です。

当初は2月4日発売予定でしたが、ジャケットの誤表記が発覚したため、2月18日への発売延期という事態となりました。しかし、iTunes Music Store（iTMS）では予定通り配信が開始されたため、結果的に先行配信という形となりました。当初は2ヶ月連続リリースの第1弾として計画されていましたが、続くシングル「集結の園へ」も延期されたため、この計画は中止されました。

発売延期に関する謝罪として、スタッフの宿利剛氏は林原めぐみのラジオ番組『林原めぐみのTokyo Boogie Night』にハガキを送り、林原めぐみを通じてリスナーに謝罪をしています。カバージャケット裏の「集結の園へ」の発売告知には、当初予定だった3月11日発売日が記載されており、この経緯を示す貴重な情報となっています。

楽曲解説

「Front breaking」と「砂時計」の両楽曲は、『スレイヤーズEVOLUTION-R』放送開始前から、林原めぐみがパーソナリティを務めるラジオ番組で先行して放送されていました。林原めぐみ自身もラジオで楽曲が流れるのを心待ちにしており、放送時には「やっとかけられる」「1番だけかよ」「2曲かけちゃった」「全部流しちゃった」「ここまで本当に長かった」など、様々なコメントを残しています。

Front breaking

「Front breaking」という楽曲名は、前作「Plenty of grit」と同様に、林原めぐみによる造語です。「正面突破」という意味を持つこの言葉は、歌詞の中にも直接的に用いられており、楽曲のテーマを明確に示しています。「砂時計」の歌詞とも関連性があり、作品全体のストーリー性を際立たせています。

複数の楽曲候補から選ばれた本曲は、なぜか『スレイヤーズ』関連となると自然と佐藤英敏氏の楽曲が選ばれるという、林原めぐみと佐藤英敏氏の強い信頼関係が伺えます。制作・収録時期は2008年10月以前ですが、発表時期が受験シーズンと重なったことから、『林原めぐみのTokyo Boogie Night』では「応援ソング」として紹介されたこともあります。

砂時計

カップリング曲「砂時計」は、「Front breaking」の歌詞とリンクしたネーミングが特徴です。林原めぐみは、作詞にあたって『スレイヤーズ』の脇役、特に敵役キャラクター達とその心情に焦点を当てたことを明かしています。

収録曲

Front breaking [3:44] (作曲：佐藤英敏、編曲：五島翔)
砂時計 [4:12] (作曲・編曲：矢吹俊郎)
Front breaking 〜Off Vocal Version〜 [3:43]
砂時計 〜Off Vocal Version〜 [4:11]

これらの楽曲は、『スレイヤーズEVOLUTION-R』のオープニングテーマとエンディングテーマとして、アニメの世界観を鮮やかに彩っています。

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