Fw 300 (航空機)

フォッケウルフ Fw 300

フォッケウルフ Fw 300は、1941年から1942年の間にフォッケウルフ社が提案した超長距離の民間旅客機、または輸送機としての構想から生まれました。この機体は、フォッケウルフ Fw 200 コンドルの後継として計画され、さまざまな特性を備えるものとされていました。

設計と開発

Fw 300は、全金属製の片持ち式低翼単葉機であり、50名までの乗客を収容できる与圧キャビンを持つ構造が特徴です。この機体は、降着装置に引き込み式を採用し、主翼には4基のレシプロエンジンが配置されています。エンジンの候補には、次の2つが挙げられました：

1. ユンカース ユモ 222：24気筒エンジンで、6気筒のブロックが4つ星型に配置されており、出力は2,500 hp（約1865 kW）です。このエンジンは、戦争中には量産されることがありませんでした。
2. ダイムラー・ベンツ DB 603：倒立V12気筒のエンジンで、出力は1,800 hp（約1343 kW）です。

両方のエンジン共に液冷式で、この技術により高いパフォーマンスを求められていました。軍用バージョンでは、8名の搭乗員が与圧キャビンに搭乗し、防御用の銃塔は遠隔操作が可能でした。特に対艦任務の際には、誘導ミサイルを搭載する案も提案されていました。

Fw 300の設計は戦争の初期段階まで進められましたが、長距離爆撃機や飛行に対する需要が減少し、他の機種に優先順位が移っていったことから、このプロジェクトは後に棚上げされました。残念ながら、試作機は完成することなく終息しました。

要目

• - 乗員: 8名
• - 全長: 32.2 m (105 ft 7 in)
• - 全幅: 46.2 m (151 ft 6 in)
• - 全高: 5.6 m (18 ft 4 in)
• - 翼面積: 277 m² (2980.5 ft²)
• - 全備重量: 47,500 kg (104,500 lb)
• - エンジン: ユンカース ユモ 222（1,865 kW × 4）またはダイムラー・ベンツ DB 603E（× 4）
• - 最高速度: 635 km/h (395 mph)
• - 航続距離: 9,000 km (4,860 nm)
• - 武装: MG 151/20機関砲 × 12（連装銃塔 × 6）

関連項目

• - フォッケウルフ Fw 200
• - フォッケウルフ Ta 400
• - ユンカース Ju 290

このように、フォッケウルフ Fw 300はその独特な設計と仕様から、第二次世界大戦の航空機開発の過程において興味深い存在となっています。未完成の夢とともに、航空史にその名が残りました。

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