G (ストリートファイター)

G (ジー)

カプコンの人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』に登場する、異彩を放つキャラクター、Gについて解説します。日本語のボイスは山路和弘氏、英語はクリストファー・コーリー・スミス氏がそれぞれ担当しています。

概要と背景

Gは、『ストリートファイターV』（以降、『ストV』）の追加キャラクターとして、シーズン3のラインナップの一角を担いました。具体的には、2018年8月7日にサガットと同時に配信が開始され、プレイヤーが使用可能になりました。

彼は自らを「世界大統領」と称する、長身で堂々とした体躯の男性です。最大の特徴は、その全身を覆う世界地図を模した黄金色のペイントで、常に体表を光が巡る視覚的に印象的なデザインとなっています。デフォルトの装いは、シルクハットに袖を捲ったタキシード姿であり、このスタイルはサーカスの団長をイメージしてデザインされたものです。開発段階では、『ストIV』や『ストV』の初期構想に存在し、後に『ストV』におけるオリジナルのボスキャラクター候補としても検討されていました。

Gの活動の拠点は、動画共有サイト「FooTube」にあります。彼はここに突如出現し、「世界大統領」としての活動を宣言。「やってみた」と題した動画シリーズで、格闘技はもちろん、ゲームやスポーツなど様々なジャンルに挑戦する様子を公開しています。自らを「世界人類の頂点」と位置づけ、「地球大統領」や「宇宙大統領」といったさらに壮大な肩書を用いることも。その浮世離れした誇大な言動から、他のキャラクターからは奇人や道化のように見られることが多いです。しかし、見かけによらず、溶岩を操ったり全身から黄金の光を放つなど、人間の常識を遥かに超えた強大な力を秘めています。

物語においても、Gの底知れない存在感が描かれます。彼のストーリーモードでは、ローズの使いとして現れたメナトを、その真意を測らせない不可解な言動で翻弄し、圧倒的な力量を見せつけます。また、ローズのストーリーでは、彼女に一度は敗北するも、その直後に堂々たる演説を繰り広げ、世界の終末を示唆するビジョンをローズに見せつけて戦慄させる場面があります。これらのエピソードは、Gがベガのような既存の強敵とは異なる次元の、未知なる強大な力を秘めた存在であることを強く示唆しています。デザイン面では、彼のクリティカルアーツや勝利時の指差しポーズが、アメリカ合衆国の象徴「アンクル・サム」を連想させ、対戦中のセリフにも「スーパー・チューズデー」といったアメリカの政治や大統領に関連するフレーズが多用されている点が特徴です。

ゲーム上の特徴

Gの戦闘スタイルの核となるのは、彼固有のシステム「プレジデントレベル」です。これは、特定の必殺技や特殊技（例：G・チャージ）を使用することで段階的に蓄積され、最大レベル3まで上昇します。プレジデントレベルが上がるごとに必殺技の性能が強化され、レベル2で攻撃力が増し、レベル3ではEX必殺技と同等の性能を発揮します。このレベルは、Gが相手の攻撃を受けてダウンしない限り維持されるため、レベルをいかに高く保つかが勝敗を左右します。

強力なプレジデントレベルを持つ一方で、Gは防御面に弱点があります。ステップ移動の距離が短く、ジャンプ性能も低いため、素早く相手との距離を詰めたり、相手の攻めから逃れるのが難しい傾向にあります。また、いわゆる無敵技を持たないため、緊急時の切り返し手段に乏しい点も防御面の弱さとして挙げられます。この防御の脆さを補うために、Gは Vスキルやプレジデントレベルによる強化を活かした攻撃的な立ち回りが求められます。例えば、Vスキル[I]「G・バリア」で相手の飛び道具を防御しつつゲージを溜めたり、Vスキル[II]「G・プロテクション」で自身の防御力を一時的に高めるなど、独自のシステムを活用して戦線を維持・拡大します。また、攻撃判定を持たずにEXゲージを増加させる特殊技「地球人民に告ぐ」は、Gがその場で演説を行うという非常にユニークなモーションを持ち、ゲージ溜めや特定の行動のキャンセルに活用できます。

Gは、その特異な設定と「プレジデントレベル」を軸とした強力な攻撃性能、そして防御面の弱さという明確なピーキーさを持つキャラクターであり、『ストリートファイターV』の中でも特に個性の強いキャラクターとして知られています。多種多様な必殺技やコマンド投げ、Vシステム技、そしてクリティカルアーツを駆使して戦います。

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