GAKUMANplus

学習漫画専門誌『ガクマンプラス』：小学館の挑戦と休刊

2010年4月15日、小学館から学習漫画雑誌『GAKUMANplus』（ガクマンプラス）が創刊されました。少子化による部数減少で休刊した『小学五年生』と『小学六年生』の後継誌として、小学校高学年と中学生をターゲットとした隔月刊誌としてスタートしました。B5判300ページ、発行部数は10万部でした。しかし、2011年10月発売の11/12月号をもって休刊という短い歴史に幕を閉じました。

学習漫画に特化した編集方針

『ガクマンプラス』は、学習漫画の掲載に特化していました。タレントやスポーツ選手へのインタビュー記事やカラーグラビアはほとんどなく、巻末の「はなまる本舗」コーナー（作画：久世番子）にホビー情報が僅かに掲載されているのみでした。読者投稿コーナーもありませんでした。また、少女[[漫画]]も掲載されていませんでした。

他誌との差別化も明確で、『月刊コロコロコミック』とは完全に異なる内容でした。小学館の男性向け漫画雑誌の連載作品を、小学生向けにアレンジした外伝が掲載されていた点が特徴的です。『Dr.コトー診療所』や『ワイルドライフ』といった作品の外伝が人気を集めました。執筆陣は学年誌経験者だけでなく、『週刊少年サンデー』で連載経験のある作家も多数参加していました。

創刊時のキャッチコピーは「世界初（!?）の学習まんが専門誌!!」でした。小学館は創刊後1年を目処に月刊化を目指していましたが、実現しませんでした。発売日は当初偶数月15日でしたが、2011年5/6月号からは偶数月3日に変更されました。

休刊と小学館の学年別学習雑誌

休刊の決定は、定期購読者への9/10月号送付時に添え状で伝えられました。『小学三年生』と『小学四年生』も翌年休刊したため、小学館の学年別学習雑誌は『小学二年生』のみとなりました。

テレビCMと競合誌

『ガクマンプラス』は、創刊号から2010年9/10月号、2011年5/6・7/8月号でテレビCMを制作し、小学館提供番組で放映されました。2010年版は学ラン姿の子役が三三七拍子を披露する内容で、2011年版は二宮金次郎像が本誌を読むというユニークな内容でした。

競合誌としては、朝日新聞出版の「週刊マンガ日本史」、月刊「ジュニアエラ」、毎日小学生新聞・朝日小学生新聞などが挙げられます。特に、時事や中学校受験関連の知識を取り上げていた点では、小学生向け日刊紙と競合していました。小学館は2011年3月に創刊した「読売KODOMO新聞」の一部紙面制作に協力していました。

掲載漫画と単行本化

『ガクマンプラス』には様々な漫画が掲載されました。連載作品には「悪之宮博士の体育向上計画!」、「ことわざ伝説」、「これでペラペラ!帰国生イングリッシュ」などがあり、人気作品も多くありました。「名探偵コナン 推理ファイル」のように単行本化された作品もあります。単行本は小学館の学習漫画レーベル「学習まんがシリーズ」や「小学館版学習まんが人物館」から刊行されました。

読切作品として「GP人物伝」シリーズがあり、歴史上の人物や著名人の物語が漫画化されました。オバマ大統領、松井秀喜選手、山崎直子宇宙飛行士など、様々な人物が取り上げられました。その他、「ワイルドライフ特別編」や「市川染五郎のカンタン 歌舞伎教室」といった作品も掲載されました。

巻頭特集では、GP人物伝の内容と関連する人物・事柄を取り上げていました。また、漫画と連続して補足説明や解答を掲載するコラムページも設けられていました。

『ガクマンプラス』は、学習漫画に特化した斬新な試みでしたが、短い期間での休刊となりました。しかし、その存在は学習漫画雑誌の歴史において、特筆すべきものと言えるでしょう。

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