GAME BASIC for SEGASATURN

GAME BASIC for SEGASATURN

『GAME BASIC for SEGASATURN』は、1998年6月25日にアスキーから発売されたセガサターン用のBASICです。開発はビッツラボラトリーが担当しました。

概要

セガサターン上で動作する、MSX-BASICライクなBASIC環境です。セガサターンの機能を最大限に活用できるよう調整されており、特にグラフィック面においてその能力を発揮し、ゲーム制作に特化した設計がなされています。当時としては、「高速な処理速度」と「ポリゴン制御」が大きな特徴でした。

同梱のケーブルを使用することで、セガサターンとパソコンを接続し、パソコン上で作成したプログラムをセガサターンに転送したり、セガサターンを遠隔操作することが可能です。

内容物

製品には以下のものが同梱されています。

チュートリアルマニュアル
『GAME BASIC for SEGASATURN』の機能や、パソコンとの連携方法を網羅的に解説しています。基本的な内容が中心で、詳細な解説書は発行されませんでした。応用的なプログラミングに関しては、当時のマイコンBASICマガジンなどの特集記事や、後述する『リファレンスマニュアル』を参考にする必要がありました。
リファレンスマニュアル
命令や関数などの仕様を詳細に解説したリファレンスです。内容はやや難解です。
GAME BASIC for SEGASATURN
ソフトウェアキーボードを内蔵しており、専用キーボードがなくても文字入力が可能です。ただし、単体では英数字とカタカナのみの対応で、漢字テキストを扱うにはパソコンとの接続が必須でした。サンプルプログラムとして、グラフィック描画テストやゲームの他に、お絵かきツールやシーケンサーといった制作支援ツールも収録されています。シーケンサーで制作したデータは、素材として流用可能な状態で保存できます。
BASTERM
パソコンとセガサターン間の通信を行うためのソフトウェアです。データの相互転送や簡単なテキスト編集機能が含まれています。Windows 95用に開発されましたが、Windows 2000、Windows XP、Windows 7(32bit)でも動作します。インストーラーが16bitアプリケーションのため、64bit環境では直接インストールできませんが、32bit環境でインストール後に本体ファイルを移動することで、64bit環境でも使用可能です。
Windows通信ケーブル
セガサターンの拡張通信端子をDサブ25ピンシリアルポート（メス）に変換するアダプタです。パソコンに接続するには、別途シリアルケーブル（RS-232Cストレートケーブル）が必要です。

対応周辺機器

本作は、以下のセガサターン周辺機器を入力デバイスとして使用できます。

入力機器（コントローラー）
シャトルマウス
バーチャガン
ミッションスティック
セガマルチコントローラー
セガサターンキーボード（プログラミングにも使用可能）
その他一般的なコントロールパッド、アーケードスティックにも対応。
記録装置
パワーメモリー
セガサターンフロッピーディスクドライブ
パソコンと連携させることで、パソコン側にプログラムソースを保存することも可能です。

発売に至るまで

当初は『BASIC for SEGA SATURN』という名称で、以下の2つのバージョンが徳間書店インターメディアから1997年6月に発売される予定でした。

BASIC単体パッケージである『スタンドアローンタイプ』
* パソコンとの接続が可能で、製作支援ソフト（モデリングツール『DeVelo MODELer』など）が付属した『PC接続タイプ』

PRはESPが行い、『テックサターン』誌上などで特集記事が組まれ、体験版としてサンプルプログラムが収録されました。サンプルの一つであったポリゴン縦スクロールシューティング『Lightning Gunner』は、製品版には収録されていません。

発売日はその後「1997年秋」→「発売日未定」となり、発売元の名義も「徳間書店/インターメディアカンパニー」となりました。この際、リリースそのものが再検討されましたが、一方でタイトルを『POLYGON BASIC for SEGA SATURN』に変更し、漢字への対応などの機能追加を行うというアナウンスも行われました。

その後、数ヶ月間情報がない状態が続きましたが、アスキーから『GAME BASIC for SEGASATURN』として発売されることが発表されました。結果的に、初期発表段階における『スタンドアローンタイプ』と『PC接続タイプ』を折衷したようなパッケージでのリリースとなりました。

その他

開発元のビッツラボラトリーは、自社サイト（閉鎖済）にて「続編」となる『GAME BASIC for Next Generation』の存在をほのめかしていましたが、実現には至りませんでした。

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