徳間書店インターメディア

徳間書店インターメディア株式会社：ゲーム誌とソフト開発の軌跡

徳間書店インターメディア株式会社（TIM）は、日本の出版業界とゲーム業界において、独特の足跡を残した企業として知られています。1985年、徳間書店のゲームコンテンツ出版子会社として設立されたTIMは、ファミリーコンピュータ（FC）全盛期に、日本初のFC専門誌『ファミリーコンピュータMagazine』を創刊しました。この雑誌は、後に『ファミ通』、『LOG-iN』といった競合誌と共に、日本のゲーム文化を形成する上で重要な役割を果たしました。

TIMは雑誌発行で培ったノウハウと人脈を活かし、ゲームソフト事業にも進出します。「テクノポリスソフト」、「GAMEテクノポリス」という2つのブランドでPC用ゲームソフトを展開しました。家庭用ゲームソフトでは「Tim」ブランドでFC向けタイトルを発売していましたが、開発の遅延や発売中止が相次いだことでも知られています。家庭用ゲームソフトの開発は、徳間書店本体でも並行して行われていました。

1990年代前半には、パソコン雑誌市場の低迷の影響を受け、『DOS-V fan』、『テクノポリス』といった主力誌の休刊を余儀なくされました。しかし、1994年末のプレイステーションとセガサターンの発売を機に、新たなゲーム雑誌を相次いで創刊。この戦略は見事に成功し、TIMは徳間書店グループにおいて、スタジオジブリと並ぶ主要な収益源となりました。この頃から、TIMは雑誌の発行だけでなく、販売についても独立採算制に移行。親会社への依存度を低減し、独立した出版社としての運営基盤を確立しました。

しかし、1996年に創刊した『ファミマガWeekly』の不振をきっかけに、経営状況は悪化。仙台事業所の閉鎖や人材流出といった事態に見舞われました。さらに、徳間書店グループ全体の業績低迷も重なり、1997年6月1日、TIMはスタジオジブリ、徳間インターナショナルと共に、徳間書店に吸収合併されました。その後、徳間書店内の社内カンパニー「インターメディア・カンパニー」として活動を継続し、雑誌やムックの刊行を続けましたが、売上低迷から脱却することはできず、1999年12月に大部分の雑誌が廃刊となりました。『Nintendoスタジアム』だけは毎日コミュニケーションズに引き継がれました。

TIMの発行雑誌は、ゲームハードごとの専門誌が中心でした。代表的なものには、『ファミリーコンピュータMagazine』（のちに『ファミマガ64』に改題）、『MSX・FAN』、『PC Engine FAN』、『メガドライブFAN』、『Play Station Magazine』などがあります。また、『SUPER FAMICOM Magazine』では、ゲームミュージックを収録したCDが付属していました。これは、当時としては画期的な試みでした。これらの雑誌は、多くのゲームファンに愛され、日本のゲーム文化の発展に貢献しました。

TIMは、多くのPCゲームソフトも開発・発売しました。代表的なタイトルには、「ななこSOS」、「まじゃべんちゃー ねぎ麻雀」、「ときめきSECIL」、「破邪大星ダンガイオー」、「秘密の花園」などがあります。これらのゲームは、個性的な世界観や独自のゲームシステムで人気を博しました。

家庭用ゲームソフトにおいても、FC版『オフザーケン』や『ラブクエスト』など、数多くのタイトルをリリースしました。しかし、開発の遅延や発売中止といった問題も多く、その点においては、課題を残しました。

TIMの設立から解散までの歴史は、日本のゲーム業界と出版業界の変遷を象徴する出来事と言えるでしょう。雑誌編集のプロフェッショナル集団としてスタートしたTIMは、出版とゲーム開発の両面で挑戦を続け、日本のゲーム文化に大きな影響を与えました。その功績は、多くのゲームファンたちの記憶に刻まれています。

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