GBU-15

GBU-15: アメリカの滑空式精密誘導爆弾

GBU-15（Guided Bomb Unit 15）は、アメリカ合衆国のロックウェル・インターナショナルによって開発された滑空式の精密誘導爆弾です。この爆弾は、Mk 84という無誘導爆弾やBLU-109という地中貫通爆弾を弾体に使用し、重量は約2,000ポンド（約907.2kg）です。GBU-15は、前方誘導部、弾頭アダプター、飛翔制御モジュール、空力翼、そして兵器データリンクから構成されています。

開発の歴史

GBU-15の開発は1974年にアメリカ空軍のエグリン空軍基地にある兵器開発試験センターで始まりました。このプロジェクトは、1983年11月に運用試験および評価が完了し、1985年2月には画像赤外線シーカーの初期運用試験を経て実用化に至りました。

技術的特性

誘導システム

GBU-15の前方誘導部には、昼間用の光量テレビと、悪天候や夜間用の画像赤外線ユニットが搭載されています。このユニットは、弾頭全体にわたる電気導管を介して飛翔制御モジュールと接続されています。これにより、目標を精密に捕捉することが可能となるのです。

飛翔制御部

後部には、滑空操縦を行うための4枚の翼がX字型に配置されています。飛翔制御モジュールには自動操縦装置が搭載されており、前方誘導部からの操舵信号を元に操縦翼面を動かすことによって、飛翔経路をリアルタイムで修正できます。

運用方法

GBU-15は、直接攻撃と間接攻撃の両方に対応しています。直接攻撃の場合、パイロットは投下前に目標を選定し、武器誘導システムで目標に合わせて爆弾を投下します。一方、間接攻撃では、投下後に遠隔操作で目標を探索し、捕捉した後にデータリンクを利用して、兵装システム士官（WSO）が手動で飛翔制御を行うことができます。これにより、低中高度からの高精度な攻撃やスタンドオフ攻撃が可能となります。

改良型

GBU-15は、1992年に悪天候時の精密誘導のための慣性地形援用誘導装置を搭載し、1999年4月にはGPS機能を追加しました。GPSを搭載したモデルはEGBU-15と呼ばれ、さらにその精度が向上しました。

さまざまな型式

• - GBU-15(V)-1/B: 昼間用テレビシーカー型
• - GBU-15(V)-2/B: 画像赤外線シーカー型
• - EGBU-15: GPS誘導型

GBU-15は、精密誘導と高い攻撃能力を兼ね備えた兵器であり、リモートオペレーションを通じてメリットを最大限に引き出す設計となっています。これに続く技術革新は今後の軍事作戦における戦術の根本を変える可能性があると言えるでしょう。

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