BLU-109

BLU-109: 地中貫通爆弾の特徴と利用法

BLU-109は、ロッキード・ミサイル・アンド・スペース（現在はロッキード・マーチンおよびミサイル・アンド・ファイア・コントロール）の手によって開発された航空機搭載爆弾です。この爆弾は特に地中や硬目標を効果的に攻撃するための能力を備えており、アメリカ空軍ではBLU-109/B、アメリカ海軍ではBLU-109A/Bとして制式化されています。BLUという名称は「Bomb Live Unit」の略であり、実際に使用される際には多様な用途に応じた改良が施されています。

開発の背景

1984年に、アメリカ空軍は「ハブ・ボイド（HAVE VOID）」計画を立ち上げました。この計画の目的は、地中に埋められた硬い目標物を攻撃できる爆弾を開発することでした。そこで、6フィート（約1.8m）のコンクリートを貫通する能力を持つ爆弾の必要性が見いだされ、1985年にはロッキードに対して発注が行われました。この経緯から生まれたのがBLU-109です。

BLU-109の設計は、一般的なMk.84 2,000ポンド低抵抗通常爆弾（LDGP）との互換性が考慮されており、両者の荷重ラグの間隔は同じです。しかし、BLU-109は貫通力を重視しているため、外形や構造が大きく異なります。具体的には、弾頭のデザインが変更され、流線型の形状から円筒形に進化しました。その結果、爆弾の強度が高まり、弾殻はニッケルクロムモリブデン鋼（SAE4340; SNCM439相当）製で、厚さが約25mmという堅牢性を誇ります。これはMk.84に比べるとほぼ倍の厚さです。

爆発のメカニズム

BLU-109は、炸薬量がPBXN-109かトリトナール240kgと、標準の通常爆弾に比べてほぼ半減していますが、これは貫通力の向上と引き換えに選択された設計です。後部に装着されるFMU-143信管は、地面に着弾するのではなく、目標物内部で爆発するように設定されています。通常、弾着から60ミリ秒後に起爆します。さらに、後には再プログラム可能なJPF（Joint Programmable Fuze）や、知能化されたHTSF（Hard Target Smart Fuze）が追加されています。他の軍でも、イギリス軍はMFBF（Multi-Function Bomb Fuze）、フランス軍はFEU 80といった異なる信管を使用しています。

さまざまな誘導方式

BLU-109は、そのまま無誘導爆弾として使用することも可能ですが、レーザー誘導やGPS誘導のキットを装着することで、より精密な誘導爆弾としても運用できます。特に、ペイブウェイやJDAMのキットが適用されており、誘導爆弾としての名称は次のように変わります：

• - ペイブストライク：GBU-15(V)-31/B、(V)-32/B（GBU-15I）
• - ペイブウェイII：GBU-10G/H/J/K
• - ペイブウェイIII：GBU-24A/B（米空軍）、GBU-24B/B（米海軍）など
• - JDAM：GBU-31(V)3/B（米空軍）、GBU-31(V)4/B（米海軍）

このように、BLU-109はその多用途性と高い貫通力から、現代の戦場において重要な役割を果たしており、さまざまなミッションに対応可能な武器システムとして利用されています。

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