GLAMOROUS JUMP

アルバム概要

『GLAMOROUS JUMP』は、1987年11月21日に発売された吉川晃司の6枚目となるオリジナル・アルバムです。このアルバムは、前作『A-LA-BA・LA-M-BA』から約8ヶ月ぶりに発表されました。制作は、渡辺プロダクションに所属する木崎賢治や川面博、そしてSMSレコードの梅鉢康弘によって行われました。

収録内容と制作

本作には全10曲が収録されており、そのうち8曲は吉川自身による楽曲です。編曲には清水信之が主に関わっています。他の2曲は、BOØWYのギタリスト布袋寅泰との共作である「GLAMOROUS JUMP」と、忌野清志郎から提供された「HONEY PIE」です。レコーディングには布袋や岡村靖幸が参加し、明るくてテンポのゆっくりした内容を目指して制作されました。

しかし、吉川はこの時期にスランプに陥っていたことをのちに明かしています。彼は、自身のリアルな状況を歌詞として表現できるようになりたいと望んでいたものの、作詞や作曲ができずに苦しんでいたのです。これにより、アルバム制作中は心の葛藤が強く影響していました。

商業的成功と評価

『GLAMOROUS JUMP』は、オリコンアルバムチャートにおいて、LP版で最高位第3位を記録し、CTやCD盤を含む総合チャートでは第5位となりました。このアルバムからは当初シングルカット予定だった「HOT LIPS」がありましたが、発売が中止となり、結局一曲もシングルカットされることがありませんでした。また、収録曲の「GLAMOROUS JUMP」は、KDD「TEL MEキャンペーン」のCMソングとして利用されています。

背景と活動

このアルバムのリリースに先立ち、吉川は「BIG CITIES CIRCUIT 解体へのSUGGESTION」と題したコンサートツアーを実施しました。このツアーでは、彼はより親しみやすい姿を見せようと努力し、楽しいコンサートを目指していました。しかし、同時に吉川は渡辺プロからの独立を望み、そのための行動を起こしていました。映画『シャタラー』の撮影のためにイタリアへ行くことになり、その後に独立を果たすことになります。この映画は公開後、内容に大幅な変更が加わり、吉川のシーンもほとんど削られる結果となりました。

制作後の影響とツアー

アルバムリリース後、吉川は「QUESTION ～Now thinking with pleasure～」と題されたコンサートツアーを行い、その後しばらくの間活動を休止することを発表しました。これは彼がしっかりとした方向性や新たなステージを考慮しての決断でした。活動を止めることで解放感を感じ、次のステップへ進む準備ができたと語っています。

批評と評価

『GLAMOROUS JUMP』は、音楽情報サイト『CDジャーナル』などからもレビューされ、その自作曲に対するこだわりや、成熟と若さが交錯する内容に対して意見が分かれました。全体的には「吉川らしさ」を持ちながらも、制作の過程での試行錯誤がみえる作品として評価されています。

本作はその後も何度か再リリースされ、今なお多くのファンに親しまれています。吉川の音楽とキャリアの重要な一環として位置付けられているアルバムと言えるでしょう。

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