GNグループ:補聴器とヘッドセットの世界的リーディングカンパニー
GNグループ(GN Store Nord A/S)は、
デンマーク・
コペンハーゲン近郊に本社を置く、音響機器の製造・販売を主とする国際的な企業集団です。長い歴史の中で電気通信事業から音響機器へと事業の軸足を移し、現在では補聴器とヘッドセットの両分野で世界的な地位を確立しています。
歴史:電気通信事業から音響機器へ
1869年、Det Store Nordiske Telegraf-Selskab A/S(大北
電信会社)として設立されたGNグループは、当初は国際電気通信事業を展開していました。日本では「大北
電信会社」として広く知られ、
海底ケーブル敷設などを通じて日本の国際通信インフラ整備に貢献した歴史を持ちます。日本における
海底ケーブルの陸揚権をめぐる歴史的経緯は複雑で、
日露戦争や第二次世界大戦といった大きな歴史的出来事とも深く関わっていました。
しかし、時代とともに電気通信事業を取り巻く環境は変化し、GNグループは2011年に電気通信事業から撤退しました。
その一方で、
1947年にはStornoという名称で無線通信機器製造部門を設立し、その後、様々な買収や合併を経て、補聴器やヘッドセットなどの音響機器事業を積極的に展開してきました。
事業内容:補聴器とヘッドセットの2本柱
現在、GNグループの主要事業は、子
会社であるGN Hearing A/S(補聴器事業)とGN Audio A/S(音響機器事業)の2本柱によって支えられています。
GN Hearing A/Sは、ReSound、Beltone、Intertonといった複数のブランドを擁し、高品質な補聴器を提供しています。
GN Audio A/Sは、Jabraブランドを中心に、ビジネス、個人向け、ゲーミング用途など幅広い用途に対応したヘッドセットを展開しており、特にJabraブランドは高い知名度と人気を誇ります。
これらの事業を通じて、GNグループは世界約30カ国にオフィスを構え、100カ国以上で製品を販売しています。売上高は、補聴器関連が5割強、ヘッドセットなどの音響機器が5割弱を占め、地域別では北米が最大市場となっています。
日本法人
日本においても、GN Hearing A/SとGN Audio A/Sはそれぞれ、GNヒアリングジャパン
株式会社とGNオーディオジャパン
株式会社を設立し、補聴器およびJabra製品の販売、サポートを行っています。
まとめ:未来へ向けたイノベーション
GNグループは、150年以上の歴史の中で、時代の変化に対応しながら、常に技術革新と事業展開を続けてきました。電気通信事業から音響機器事業へと移行したその経験は、現代においても、市場のニーズを的確に捉え、高品質な製品とサービスを提供する上で大きな強みとなっています。
今後、GNグループが音響機器分野でどのようなイノベーションを起こし、世界の人々の生活に貢献していくのか、注目が集まります。