GNOME 端末

GNOME端末は、GNOMEデスクトップ環境に付属する端末エミュレータで、Havoc Penningtonらによって開発されました。GNOME環境はGUIベースでの操作を基本としていますが、従来のコマンドラインインターフェースとの親和性も重視しています。GNOME端末を利用することで、デスクトップ環境を維持しながらコマンドラインシェルを使うことが可能になります。ウィンドウの移動やサイズ変更、仮想デスクトップ間の移動も他のアプリケーションと同様に自由に行えます。

特徴

GNOME端末は、xtermとよく似た特徴を持ち、色付き文字の表示やマウス操作をサポートしています。さらに、タブ機能など、独自の機能も備えています。

プロファイル

GNOME端末では、ユーザーが複数のプロファイルを作成し、それぞれに異なる設定を適用できます。プロファイルごとに、フォント、色、ベル、スクロールの挙動、バックスペースキーと削除キーの挙動を設定できます。また、プロファイルごとに起動するコマンドを設定することも可能です。例えば、デフォルトシェルを起動するプロファイル、SSH接続用のプロファイル、GNU Screenを起動するプロファイルなどを使い分けることができます。

互換性

GNOME端末は、古いソフトウェアとの互換性のために、キーボードからのASCII割り当てに関する複数のオプションを提供しています。特に、バックスペースキーと削除キーの挙動について、どの制御文字やエスケープシーケンスを生成するかをプロファイルごとに設定できます。

色付き文字

GNOME端末では、色付き文字の表示を有効または無効にできます。16色の基本セットに加えて、256色パレットもサポートしており、vimなどのアプリケーションで多彩な色を利用できます。

背景

GNOME端末は、以下の背景オプションを提供しています。

• - 単色: プロファイルごとに任意の色を指定できます。
• - 背景画像: JPEG, PNG, GIF, TIFFなどの画像形式をサポートしています。
• - 透過背景: 透明度を調整し、背後のウィンドウやデスクトップを表示できます。ただし、GNOME端末3.8以降では透過背景オプションは削除されています。

マウス操作

GNOME端末は、マウスによるスクロールやクリックをサポートしています。マウスの位置特定はできませんが、aptitudeやvimなどのターミナルアプリケーションでマウス操作を利用できます。ただし、ジェスチャーベースのタッチ操作はサポートされていません。

URLの特定

GNOME端末は、出力内のURLやメールアドレスを自動的に検出し、クリック可能なリンクとして表示します。リンクをクリックすると、対応するアプリケーションが起動します。

タブ

GNOME端末では、複数の画面をタブで開くことができます。タブバーは画面上部に表示され、クリックすることでタブを切り替えられます。タブごとに名前を設定でき、キーボードショートカットを使って操作できます。例えば、Ctrl + Shift + Tで新しいタブを開き、Ctrl + Shift + Wでタブを閉じることができます。Ctrl + Shift + PageDownとCtrl + Shift + PageUpでタブを移動できます。

安全な終了

最近のバージョンでは、すべてのグラフィカルアプリケーションを終了しようとする際に、GNOME端末が終了確認ダイアログを表示します。これにより、誤って端末ウィンドウを閉じるリスクを軽減できます。ただし、`exit`コマンドでシェルを終了する場合は、シェルの機能による終了確認が行われます。例えば、tcshやbashなどのシェルも、ジョブ実行中に終了しようとする際に確認を促す機能を提供しています。

出典

公式ウェブサイト

関連項目

• - Konsole - KDEにおける標準の端末エミュレータ

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