GO FUNK

GO FUNK：米米CLUBの新たな境地

1988年9月21日、CBSソニーより発売された米米CLUBの4枚目のアルバム『GO FUNK』は、バンドの転換期を象徴する作品と言えるでしょう。前作から約1年ぶり、そして博多めぐみさんとシュークリームシュのサトミさん脱退後初のオリジナルアルバムとして、大きな注目を集めました。

このアルバムにおいて特筆すべきは、プロデューサーとして萩原健太氏が参加したことでしょう。以降、萩原氏は米米CLUBのライブプロデュースや監修、さらにはBIG HORNS BEEのアルバムプロデュースなど、多岐にわたって関わることになります。彼の参加は、本作のサウンドに大きな影響を与え、米米CLUBの音楽性をさらに深化させる上で重要な役割を果たしました。

『GO FUNK』というタイトルは、「ご飯食う」という言葉を洒落た表現にしたものだと言われています。この遊び心のあるタイトルからも、アルバム全体に漂う軽快でキャッチーな雰囲気が伝わってきます。また、本作は米米CLUBのアルバムとしては初めて、初回限定盤がリリースされました。68ページにも及ぶ写真集が封入された特別仕様は、多くのファンを魅了しました。

アルバム収録曲は多様性に富んでおり、アップテンポなナンバーから、メロウなバラードまで幅広い楽曲が収録されています。中でも7thシングル「KOME KOME WAR」は、アルバムバージョンではイントロとアウトロが大幅に拡張されており、シングルとはまた違った魅力を感じさせる仕上がりとなっています。「あ! あぶない!」は、レコーディング中に「あぶない!」と感じた出来事が楽曲制作のきっかけになったというエピソードも興味深いものです。また、「TIME STOP」や「僕らのスーパーヒーロー」は後にシングルカットされ、さらに多くのリスナーに親しまれることになります。

さらに、アナログ盤も発売されましたが、CD版に収録されている「KOME KOME WAR」と「いつのまにか」は、アナログ盤には収録されていません。この違いも、当時の音楽事情を反映していると言えるでしょう。

『GO FUNK』は、オリコンチャートで堂々の1位を獲得。これは米米CLUBにとって初の快挙であり、バンドの人気を決定づける大きな成功となりました。このアルバムは、新たなプロデューサーとの出会い、メンバーチェンジを経て、さらに進化を遂げた米米CLUBの音楽性を鮮やかに示す、彼らの代表作の一つと言えるでしょう。キャッチーなメロディーと、緻密に作り込まれたアレンジ、そして、各楽曲に込められたメッセージは、今でも多くのリスナーを魅了し続けています。

主な楽曲解説

INTRODUCTION: アルバムの幕開けを飾るイントロダクション。
美熱少年: エネルギッシュなサウンドが印象的な楽曲。
KOME KOME WAR: アルバムバージョンでは、シングル版よりも大幅にアレンジが加えられている。
SEXY POWER: タイトル通りのセクシーでパワフルな楽曲。
BEE BE BEAT: リズミカルなビートが特徴的なナンバー。
あ! あぶない!: レコーディング中の出来事を反映したユニークな楽曲。
OH! 米 GOD!: 次曲「TIME STOP」とシームレスにつながる構成。
TIME STOP: 後に8thシングルとしてリカットされた人気曲。
なんですか これは: 個性的なタイトルとサウンドが印象的。
FLANKIE, GET AWAY!: タイトルからも想像できる、疾走感あふれるナンバー。
僕らのスーパーヒーロー: 後に8thシングルのカップリング曲としてリカット。
いつのまにか: しっとりとしたメロディーが美しいバラード。
宴（MOONLIGHT MARCH）: 壮大でドラマチックな楽曲。
I'M A SOUL MAN: ソウルフルな歌声が魅力的なナンバー。
* MY SWEET SWEET SHOW TIME: アルバムを締めくくる、華やかな楽曲。

『GO FUNK』は、単なるアルバムを超えた、米米CLUBの歴史における重要な1ページを刻んだ作品と言えるでしょう。

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