GRANPOWER
GRANPOWER（グランパワー、GP）は、日本の総合エレクトロニクスメーカーである富士通が、1996年から2000年にかけて展開した、サーバおよびワークステーション製品群に冠されたブランド名です。1996年10月に発表され、2000年5月にブランドとしての役割を終えるまでの約4年間、富士通の主要なコンピューティング製品を構成しました。このブランドは、多様なサーバ製品に統一された名称を与えることで、あたかも製品全体が連携し、より大きなシステムへと容易に拡張できるかのように見せる「スケーラビリティ」を訴求することを目的として企画されました。しかし、その内部構造は各シリーズで大きく異なっていました。
ブランド発足当初、GRANPOWERは以下の三つの主要なシリーズで構成されていました。
GRANPOWER 5000シリーズ: このシリーズは、一般的なPCサーバのアーキテクチャであるIA32を採用していました。主にWindows NT ServerやNetWareといったOSが動作し、ビジネスにおけるファイルサーバやアプリケーションサーバなど、幅広い用途に対応しました。1996年10月に最初に発表されたシリーズです。
GRANPOWER 6000シリーズ: IA32アーキテクチャを持ちながらも、このシリーズは主にオフィスコンピューター、いわゆる「オフコン」の系譜に連なる製品群でした。発表は1997年5月です。これは、それまで富士通が展開してきたFACOM Kシリーズ（K-200シリーズ、K-600シリーズ、FUJITSU K-6000シリーズ）の後継としての位置づけでした。
GRANPOWER 7000シリーズ: 高性能なUNIXサーバとして位置づけられたこのシリーズは、SPARCアーキテクチャとSolaris UNIXオペレーティングシステムを基盤としていました。1997年1月に発表され、大規模なシステムや基幹業務向けのニーズに応える製品群でした。
これら三つのシリーズは、それぞれ異なるアーキテクチャやオペレーティングシステムを採用していたため、シリーズ間での直接的な動作互換性はありませんでした。統一ブランドのもとで「スケーラブル」というイメージを打ち出しつつも、技術的な基盤は独立していました。
ブランド展開の途中で、特にGRANPOWER 7000シリーズは再編が行われます。1998年11月には、GP7000シリーズという名称に整理され、さらに以下の三つのファミリーへと細分化されました。
GP7000Fファミリー: 元々、米国のサン・マイクロシステムズ社と連携し、DS/90 7000シリーズを基にSolarisサーバとして米国市場向けに販売されていた製品群が、このファミリーに名称変更されました。富士通がハードウェア設計を担当しましたが、サン社がSPARC/Solarisサーバとしての互換性を保証するというユニークな形態でした。CPUには高性能なSPARC64 GPが搭載され、後のPRIMEPOWERシリーズへと繋がる基盤となりました。
GP7000Dファミリー: こちらもDS/90 7000シリーズの流れを汲む製品ですが、独自のUNIX系オペレーティングシステムであるUXP/DS|UXP_DS（SVR4準拠）を採用していました。CPUにはhyperSPARCやUltraSPARCが用いられ、Unixワークステーションやサーバとして展開されました。
GP7000Sファミリー: 既に存在していたFUJITSU Sファミリーというサン・マイクロシステムズ社のSPARCワークステーションやサーバのOEM製品群が、このGP7000Sファミリーとして再編成されました。
GRANPOWERブランドは、これらのシリーズ展開を経て、2000年5月にその歴史に幕を閉じます。ブランド終焉に伴い、各シリーズは新たな名称のもとで再出発しました。GRANPOWER 5000シリーズはPRIMERGYシリーズに統合され、富士通のPCサーバの中核を担うようになります。GRANPOWER 6000シリーズはPRIMERGY 6000として、オフコン市場向けのラインナップとして継続されました。そして、高性能UNIXサーバであったGRANPOWER 7000シリーズ（特にGP7000Fの流れ）は、PRIMEPOWERシリーズとして発展し、富士通の基幹系UNIXサーバの主力ブランドとなりました。
このように、GRANPOWERブランドは短命でしたが、富士通が多様なサーバ・ワークステーション製品を一つの傘の下にまとめ、後のPRIMERGYやPRIMEPOWERといった主力ブランドへの道を拓く上で、重要な過渡期の役割を果たしました。
関連ブランドとしては、旧来のオフコンの流れを組む「FACOM」、そしてGRANPOWERから直接発展した後継ブランドである「PRIMERGY」および「PRIMERGY 6000」が挙げられます。
ブランド発足当初、GRANPOWERは以下の三つの主要なシリーズで構成されていました。
GRANPOWER 5000シリーズ: このシリーズは、一般的なPCサーバのアーキテクチャであるIA32を採用していました。主にWindows NT ServerやNetWareといったOSが動作し、ビジネスにおけるファイルサーバやアプリケーションサーバなど、幅広い用途に対応しました。1996年10月に最初に発表されたシリーズです。
GRANPOWER 6000シリーズ: IA32アーキテクチャを持ちながらも、このシリーズは主にオフィスコンピューター、いわゆる「オフコン」の系譜に連なる製品群でした。発表は1997年5月です。これは、それまで富士通が展開してきたFACOM Kシリーズ（K-200シリーズ、K-600シリーズ、FUJITSU K-6000シリーズ）の後継としての位置づけでした。
GRANPOWER 7000シリーズ: 高性能なUNIXサーバとして位置づけられたこのシリーズは、SPARCアーキテクチャとSolaris UNIXオペレーティングシステムを基盤としていました。1997年1月に発表され、大規模なシステムや基幹業務向けのニーズに応える製品群でした。
これら三つのシリーズは、それぞれ異なるアーキテクチャやオペレーティングシステムを採用していたため、シリーズ間での直接的な動作互換性はありませんでした。統一ブランドのもとで「スケーラブル」というイメージを打ち出しつつも、技術的な基盤は独立していました。
ブランド展開の途中で、特にGRANPOWER 7000シリーズは再編が行われます。1998年11月には、GP7000シリーズという名称に整理され、さらに以下の三つのファミリーへと細分化されました。
GP7000Fファミリー: 元々、米国のサン・マイクロシステムズ社と連携し、DS/90 7000シリーズを基にSolarisサーバとして米国市場向けに販売されていた製品群が、このファミリーに名称変更されました。富士通がハードウェア設計を担当しましたが、サン社がSPARC/Solarisサーバとしての互換性を保証するというユニークな形態でした。CPUには高性能なSPARC64 GPが搭載され、後のPRIMEPOWERシリーズへと繋がる基盤となりました。
GP7000Dファミリー: こちらもDS/90 7000シリーズの流れを汲む製品ですが、独自のUNIX系オペレーティングシステムであるUXP/DS|UXP_DS（SVR4準拠）を採用していました。CPUにはhyperSPARCやUltraSPARCが用いられ、Unixワークステーションやサーバとして展開されました。
GP7000Sファミリー: 既に存在していたFUJITSU Sファミリーというサン・マイクロシステムズ社のSPARCワークステーションやサーバのOEM製品群が、このGP7000Sファミリーとして再編成されました。
GRANPOWERブランドは、これらのシリーズ展開を経て、2000年5月にその歴史に幕を閉じます。ブランド終焉に伴い、各シリーズは新たな名称のもとで再出発しました。GRANPOWER 5000シリーズはPRIMERGYシリーズに統合され、富士通のPCサーバの中核を担うようになります。GRANPOWER 6000シリーズはPRIMERGY 6000として、オフコン市場向けのラインナップとして継続されました。そして、高性能UNIXサーバであったGRANPOWER 7000シリーズ（特にGP7000Fの流れ）は、PRIMEPOWERシリーズとして発展し、富士通の基幹系UNIXサーバの主力ブランドとなりました。
このように、GRANPOWERブランドは短命でしたが、富士通が多様なサーバ・ワークステーション製品を一つの傘の下にまとめ、後のPRIMERGYやPRIMEPOWERといった主力ブランドへの道を拓く上で、重要な過渡期の役割を果たしました。
関連ブランドとしては、旧来のオフコンの流れを組む「FACOM」、そしてGRANPOWERから直接発展した後継ブランドである「PRIMERGY」および「PRIMERGY 6000」が挙げられます。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。