オフィスコンピュータ

オフィスコンピュータについて

オフィスコンピュータ、略してオフコンは、一般的に中小企業における事務処理作業に特化して設計された、比較的小型のコンピュータです。この名称は特に日本で使われるもので、国外ではミニコンピュータやワークステーション、ミッドレンジコンピュータなどの呼称が一般的です。

オフィスコンピュータの概要

オフィスコンピュータは、ミニコンピュータ（ミニコン）に近いカテゴリーに位置しますが、利用目的が異なります。ミニコンは主に科学技術計算や研究機関での使用を意図していますが、オフィスコンピュータは商業的な計算や帳票処理を重視しています。これにより、オフィスでの業務に特化した機能が充実しているのが特徴です。

具体的には、伝票印刷や業務収支の計算などのプログラムが内蔵されており、ユーザーは簡単にデータの処理や出力を行うことができます。特に1970年代から1990年代にかけて、日本の中小企業の情報化に大きく寄与しました。

日本における進化

日本のオフィスコンピュータ市場は、海外のメインフレーム技術の導入から独立して進化しました。日本独自の商習慣や日本語を考慮した設計がされているため、海外からの進出が難しい市場でした。このため、各メーカーによる独自のアーキテクチャも誕生し、オフコン専用のシステムが多く存在します。

代表的なメーカーには、NECのS3100、富士通のFACOM K-10、そして日本IBMのAS/400シリーズなどがあります。これらは今もなお、日本国内で多くの企業に利用されています。

運用形態と構造

オフィスコンピュータは、現在の業務サーバのようにコンピュータネットワークを介して端末を接続し、データの入力や呼び出しを行います。これに伴い、端末としては磁気カードリーダーやバーコードスキャナなどが用いられ、あらゆる業務処理がネットワーク上でスムーズに行われます。

また、オフィスコンピュータはしばしば専用のハードウェアとソフトウェアで構成され、既製品のソフトウェアをカスタマイズして業務処理プログラムとして稼働させることが一般的です。これにより、特定の業種や用途に特化したサポートが受けられます。

オープン化の進展

近年では、オープンシステムの考え方が浸透してきました。オープン化とは、メーカー独自の仕様を用いず、業界標準の仕様を利用することで、ソフトウェアやハードウェアの互換性を高める動きです。これにより、従来のクローズドアーキテクチャから脱却し、汎用的なハードウェアやOSの普及が進んでいます。

特に、WindowsやUnixを利用したサーバが一般的になる中、オフィスコンピュータもこれらのシステムを取り込む形で進化しています。たとえば、富士通のPRIMERGYやNECのExpress5800は、このオープン化の流れに沿った製品です。

オフィスコンピュータの歴史

オフィスコンピュータの起源は日本にあり、1950年代から発展し始めました。最初に国産化された電子会計機がNECによって開発され、以降さまざまなメーカーが参入しました。特に1970年代には本格的な事務処理機能を持つオフコンが登場し、急速に普及しました。

しかし、1990年代以降、Windowsサーバの普及によって市場は大きく変わり、オフコン市場は縮小することになります。多くのメーカーが撤退を余儀なくされ、今日では日本IBM、富士通、三菱電機などが残るメインプレイヤーとして活動しています。

結論

オフィスコンピュータは、日本のビジネス環境において非常に重要な役割を果たしてきました。現在でも信頼性の高い基幹業務システムとして利用され続けており、進化を続けています。これからも、その特性を生かしながら新たな技術と融合していくことが求められています。

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