GROUND NUTS

GROUND NUTS：熊本発、全国へ羽ばたいたロックバンドの物語

GROUND NUTSは、1980年代後半に活躍した日本のロックバンドである。メンバー全員が熊本県出身という共通点を持つ彼ら。ニューウェーブの影響を受けたサウンドで、地元熊本を中心に人気を集め、メジャーデビューも果たした。その後、解散するものの、各メンバーはそれぞれの道を歩みながら、音楽活動を継続している。

メンバー紹介：多彩な才能が織りなすハーモニー

前田 カシ (ボーカル):
天草市小松原町出身。パワフルなボーカルと、時にユーモラスなステージパフォーマンスで観客を魅了した。GROUND NUTS解散後は「ラフボーイズ」としてアマチュア活動を続け、その後「マエカシ&442」「マエカシ」としてソロ活動など精力的に活動している。

鍋田 健 (ギター):
玉名郡長洲町出身。高いギターテクニックと音楽理論に基づいた指導で、ギター講師としても活躍。一五一会教則本の名前にも掲載され、その実力は折り紙つきである。現在も様々な形態で音楽活動を続けており、前田らと共に「マエカシ&442」としても活動している。

鐘ヶ江 隆二 (ベース):
阿蘇市出身。アーティストサポートやソロ活動（Ryuji&THE MOCCO'S）など、幅広い活動を展開している。確かな演奏技術と音楽性で、多くのアーティストから信頼されている。

伊東 ミキオ (キーボード):
熊本市水前寺町出身。エネルギッシュな演奏で人気のあったキーボーディスト。1992年にGROUND NUTSを脱退後、ウルフルズサポートメンバーなどを務めるなど、第一線で活躍を続けている。

丸山 英秋 (ドラム):
山鹿市出身。現在は「丸山ヒデアキ」名義でソロシンガーソングライターとして活動し、独自の音楽性を追求している。

GROUND NUTSの軌跡：地元熊本から全国へ

GROUND NUTSの前身はM-CAKEというバンド。自主制作テープのリリースや、地元でのライブ活動を通して着実にファンを獲得していった。ヤマハポピュラーソングコンテスト熊本大会グランプリ受賞やフレッシュサウンズコンテスト出場など、数々の実績を残している。熊本大学学園祭の恒例イベント「ロック・イン・黒髪」への出演や、博多でのライブ活動も頻繁に行い、地元熊本で確固たる地位を築いていた。

1988年には熊本郵便貯金会館で初のホールワンマンライブ「GO TO PARADISE」を開催し、全国ツアーも敢行。そして1989年8月12日、彼らにとって転機となる出来事が訪れる。人気テレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』（いか天）への出演である。

いか天では「Let's Go³」を演奏。独特のキーボードサウンドとパワフルなボーカル、そして前田の個性的なキャラクターが視聴者の心をつかんだ。審査員投票の結果、惜しくも敗北したものの、その存在感を全国に示す大きなきっかけとなった。

その後、1990年にメジャーデビュー。アルバム1枚、シングル2枚を発表し、全国規模での活動へとステップアップする。BO GUMBOSにも通じるような独特のサウンドは、いか天出身バンドという枠には収まらない魅力を放っていた。

解散後も続く音楽への情熱

GROUND NUTSは解散するものの、メンバーそれぞれが音楽活動を継続している。2009年には前田、鍋田、鐘ヶ江の3人が「前田カシ・ユニット」として活動を開始。その後「マエカシ&442」を結成し、活動を続けている。2013年には一夜限りの復活ライブも開催され、変わらぬ人気を証明した。

エピソード：メンバーそれぞれの思い出

伊東が上京時に母親から持たされた特大スイカ二玉の話や、いか天出演時のプラカードに書かれた「グランドナッツ」のルビ、前田の熊本弁エピソードなど、数々のエピソードが、GROUND NUTSの活動を彩る。

ディスコグラフィー

シングル:

Let's Go³ (1990年、BMG JAPAN)
カンデンチ (1990年、BMG JAPAN)

アルバム:

* オーバーソウルの神様 (1990年、BMG JAPAN)

GROUND NUTSの音楽は、今も多くの人の心に響き渡っている。彼らが築き上げた音楽と、その軌跡は、日本の音楽史に刻まれた貴重な遺産である。

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