Go 242 (航空機)

ゴータ Go 242: 第二次世界大戦の輸送グライダー

ゴータ Go 242は、第二次世界大戦中にドイツ空軍で活躍した輸送軍用グライダーです。この機体は、ドイツ航空省（RLM）の要求に応じ、アルベルト・カルカートが設計しました。Go 242は、完全装備の兵士20名またはそれに等しい貨物を搭載できる能力を持つことが求められ、実際にこれを実現した機体となりました。

開発

Go 242の設計には、単純な箱型断面と鋼管フレーム構造が採用され、外側は羽布（doped fabric）で覆われています。この機体は高翼配置の主翼と、水平尾翼を繋ぐ2本のブームを備えており、DFS 230よりも飛行特性が大幅に向上しています。また、貨物の積載や降ろしが容易になるよう、ヒンジ付きの後部胴体とローディングランプが搭載されています。これにより、小型車両や同等の重さの貨物も積載可能です。

さらに、Go 242は離陸時の過加重を考慮してロケット補助装置を装備することがテストされました。具体的には、貨物室の後部に4基の48 kgの離陸ロケットが設置されています。また、ハインケル社製のR I-203液体燃料ロケットエンジンも主翼下に取り付けられ、離陸後に使用済みのロケットはパラシュートで投下されて再利用される設計になっていました。1941年には試作機が飛行し、驚異的な性能が認められてすぐに量産に移行されました。最終的には、合計1,528機が製造され、その中の一部はGo 244として改良が加えられました。

運用の歴史

Go 242は、ハインケル He 111やユンカース Ju 52によって曳航される形式で運用されました。必要に応じてRATO装置を取り付けて離陸を行い、多くは地中海やエーゲ海での平時・戦時の輸送任務に従事しました。

また、一部の機体は水上運用を可能にするためにデザインされたGo 242C-1型が製造されました。この型では、艇体間に炸薬を搭載した双胴船型強襲ボートを運ぶことが想定されており、敵艦近くに着水後、操縦士がボートに乗り換えて急速に接近する作戦が考案されていました。ただし、この作戦が実施されたことはありません。

現存機

現在もGo 242に関する展示機が存在します。フランスのMusée de la Resistance du Vercorsにはゴータ Go 242が、ドイツのTechnik MuseumやLuftwaffen MuseumにはGo 242 C-1があります。

派生型

Go 242の派生型にはいくつかのモデルがあります。具体的には、最初の貨物機モデルであるGo 242A-1や、兵員輸送機モデルのGo 242A-2が挙げられます。また、可搬型の降着装置を持つGo 242B-1や、その改良版であるB-2、後部にダブルドアを設定したB-3など、多彩なモデルが開発されました。Go 242の海洋強襲モデルであるGo 242C-1も存在しますが、実際の作戦運用には使用されませんでした。

仕様（Go 242B-3モデル）

• - 乗員：1〜2名
• - 積載量：最大23名の兵員
• - 全長：15.81 m
• - 全幅：24.50 m
• - 全高：4.40 m
• - 翼面積：64.4 m²
• - 空虚重量：3,200 kg
• - 最大離陸重量：7,100 kg
• - 最大速度：300 km/h
• - 武装：MG 15機関銃×4

このように展開したGo 242は、戦時中の輸送任務において重要な役割を果たしました。

もう一度検索