Google Penguin

Google Penguin（グーグルペンギン）とは

Google Penguinは、2012年4月24日に初めて導入されたGoogleの検索アルゴリズム更新のコード名です。このアップデートの主な目的は、ウェブサイトの検索順位を不正に操作する、いわゆるブラックハットSEOの手法を用いるウェブサイトのランキングを下げることでした。具体的には、特定のウェブページへのリンクを大量に操作し、検索ランキングを不正に上昇させる行為（リンクスキーム）を取り締まることを目指しました。

Googleのジョン・ミューラー氏によると、Googleはペンギンアップデートの全てのバージョンを公表しています。

検索結果への影響

ペンギンアップデートは、Googleの推計で英語の検索クエリの約3.1%、ドイツ語、中国語、アラビア語などの言語では約3%に影響を与えたとされています。特にスパムの多い言語では、さらに大きな割合のクエリに影響が出ました。

その後、2012年5月25日にはペンギン1.1と呼ばれるアップデートが実施され、英語検索の0.1%未満に影響がありました。このアップデートでは、ランキング操作を行うウェブサイトへのペナルティが強化されました。ペンギンアップデート以前は、ランキングを上げるために悪質なリンク構築が一般的に行われていましたが、ペンギン導入後は、質の高いコンテンツを持つサイトが評価されるようになり、コンテンツが薄いサイトやスパム的なサイトはペナルティを受け、ランキングを上げることが難しくなりました。

Googleの目的は、極端なスパム行為を行うサイトを排除することにあり、Google PandaとPenguinの導入によって、特定のキーワードで検索順位を失うウェブサイトも出てきました。特にドアウェイページ（検索エンジンからのトラフィックを集めるためだけに作られた、実質的な内容のないページ）は、Googleのガイドラインに違反するものとして厳しく取り締まられました。

また、ペンギンアップデートの前に、2012年1月には、ページレイアウトアルゴリズムアップデート（トップヘビーアップデート）が実施され、広告が多すぎるサイトや、スクロールせずに見える範囲のコンテンツが少ないサイトもペナルティの対象となりました。

ペンギンアップデートの変遷

ペンギン3: 2012年10月5日に公開され、クエリの0.3%に影響。
ペンギン4（ペンギン2.0）: 2013年5月22日に公開され、クエリの2.3%に影響。
ペンギン5（ペンギン2.1）: 2013年10月4日に公開され、クエリの約1%に影響。

2014年10月18日には、ペンギン3.0が公開されたとされていますが、Googleのピアー・ファー氏によると、これはアルゴリズムの初期化であり、新しい要素は追加されていませんでした。

2015年4月7日、Googleのジョン・ミューラー氏は、ペンギンとパンダは定期的にデータが更新されておらず、手動での更新が必要であることを明らかにしました。

ペンギン、パンダ、ページレイアウトアルゴリズムアップデートの共通の目標は、検索結果の上位に質の高いウェブサイトを表示することです。これらのアップデートによってランキングを下げられたサイトは、それぞれ異なる特徴を持っています。ペンギンの主なターゲットは、検索エンジンスパム（Google爆弾を含む）です。Googleのこれらのアップデートは、GoogleウェブマスターガイドラインとホワイトハットSEO（推奨されるSEO対策）に従うウェブサイト管理者にとって有利な状況を作り出しています。

2016年4月15日、ジョン・ミューラー氏は、新しいペンギンアップデートの公開時には発表を行うと述べました。

ペンギン4.0（7回目のペンギンアップデート）

2016年9月23日、Googleはペンギンアルゴリズムをコアアルゴリズムの一部とし、リアルタイムで更新されるようになったと発表しました。これにより、今後のアップデートに関するGoogleからの発表はなくなりました。リアルタイム更新とは、ウェブサイトが常に評価され、ランキングがリアルタイムで変動することを意味します。以前は、ペンギンによるペナルティを受けたサイトは、次のアップデートを待つ必要がありましたが、ペンギン4.0では、URL単位でペナルティが適用されるため、より細かな対応が可能となりました。

さらに、ペンギン4.0では、以前のバージョンとは異なり、悪質なリンクを発見してもウェブサイトのランキングを直接下げるのではなく、そのリンクを無視するようになりました。これにより、否認ファイルを使用する必要性が減少しています。Googleは、リンクが自然かどうか、操作されていないか、人を欺くものでないかなどをアルゴリズムと人間の評価者の両方を使って判断しています。リンクはランキングに強く影響する要素ですが、すべてのリンクが同じように扱われるわけではなく、ペンギン4.0ではリンクの質の重要性が増しています。

Google Penguin フィードバックフォーム

最初のペンギンアップデート公開から2日後、Googleはフィードバックフォーム（異議申し立て書式）を用意しました。このフォームは、検索アルゴリズムの変更後も評価の高いウェブスパムを報告したいユーザーと、自分のサイトが不公平に扱われていると考えるユーザーの2種類を対象にしています。Googleは、Google Search Console（旧Googleウェブマスターツール）に再考を求めるフォームも提供しています。

2015年1月、ジョン・ミューラー氏は、ペンギンペナルティは良質なリンクを構築することで取り除けると述べました。一般的な手順は、悪質なリンクを手動またはGoogleのリンク否認ツールで削除し、その後再考申請を行うことです。アルゴリズムは、悪質なリンクに対する良質なリンクの割合を判断するため、良質なリンクを増やすことで回復につながる可能性があります。

確認されているペンギンアップデート

ペンギン1: 2012年4月24日（約3.1%のクエリに影響）
ペンギン2: 2012年5月26日（約0.1%のクエリに影響）
ペンギン3: 2012年10月5日（約0.3%のクエリに影響）
ペンギン4 (ペンギン2.0): 2013年5月22日 (2.3%のクエリに影響)
ペンギン5 (ペンギン2.1): 2013年10月4日 (約1%のクエリに影響)
ペンギン6 (ペンギン3.0): 2014年10月17日 (1%未満の英語クエリに影響)
ペンギン7 (ペンギン4.0): 2016年9月23日

外部リンク

Wall Street Journal - As Google Tweaks Searches, Some Get Lost in the Web
In Front Digital - A Guide To The Penguin Update
WebProNews - Google To Announce The Latest Penguin Update
* Google Penguin 3.0 Update Rolling Out, Effects and Cure

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