WebP

WebP：軽量で高機能な画像フォーマット

WebPは、Googleが開発したオープンソースの画像フォーマットです。その目的は、Webページのトラフィック軽減と表示速度の向上であり、既存のJPEG、PNG、GIFといったフォーマットに代わるものとして開発されました。.webpという拡張子で識別されます。2010年に仕様が公開され、様々なツールと共に提供が開始されました。

WebPの特長

WebPの最大の特徴は、同等の画質を保ちながら、JPEGやPNGよりも大幅にファイルサイズを小さくできる点です。これは、VP8ビデオコーデック技術を応用した効率的な圧縮アルゴリズムによるものです。特に、非可逆圧縮ではJPEGより25～34％、可逆圧縮ではPNGより28％もサイズを削減できるというGoogleのデータがあります。

さらに、WebPはJPEGにはないアルファチャンネル（透明度情報）に対応しているため、透過処理が必要な画像にも適しています。アルファチャンネルを追加しても、ファイルサイズはわずか22％しか増加しません。ICCプロファイルによる色管理、EXIF/XMPメタデータ、アニメーションにも対応するなど、機能も豊富です。ただし、CMYKカラーモデルには対応していません。

WebPは、最大16383×16383ピクセルの画像を扱えますが、非可逆圧縮ではYCbCr 4:2:0のサンプリングファクタのみを使用します。また、RIFFコンテナ形式を採用しており、非可逆圧縮のWebPは1フレームのWebMとほぼ同等です。

WebPの機能

WebPの基本機能は、単一静止画の可逆・非可逆圧縮です。非可逆圧縮はVP8キーフレーム圧縮をベースとしています。オプションで以下の拡張機能を利用できます。

アルファチャンネル
ICCプロファイルによる色管理
アニメーション
EXIF/XMPメタデータ

これらの拡張機能は、VP8Xチャンクに設定情報が保存されます。このチャンクが存在しなければ、基本機能のみが有効になります。

WebPの利用環境

WebPは、多くのOS、ブラウザ、画像編集ソフトでサポートされています。主要な対応環境は以下の通りです。

OS:

Android 4.0以降（非可逆圧縮）、4.3以降（可逆圧縮）
Microsoft Windows 10 Creators Update以降
macOS Big Sur以降
iOS 14以降

ウェブブラウザ:

Google Chrome
Mozilla Firefox 65以降
Microsoft Edge 18以降
Opera
Safari 14以降
SeaMonkey 2.53.5以降

画像編集ソフト・ビューア・コンバーター:

WebPに対応したソフトウェアは多数存在し、Adobe Photoshop、GIMP、CLIP STUDIO PAINTなどの主要な画像編集ソフトもサポートしています。また、様々なコンバーターやライブラリも提供されています。

WebPの仕様

WebPは、画像に特化したRIFF形式のサブセットです。ファイルヘッダーはWEBPというFourCCで識別されます。VP8、VP8L、VP8X、ICCP、ANIM、ANMF、EXIF、XMPといったチャンクで構成され、それぞれのチャンクは特定の役割を持っています。

例えば、VP8チャンクは非可逆圧縮された静止画、VP8Lチャンクは可逆圧縮された静止画を格納します。ANIMチャンクはアニメーションの設定、ANMFチャンクはアニメーションの各フレームを格納します。EXIF/XMPチャンクはメタデータを格納します。

WebPの将来

WebPは、その高い圧縮効率と多様な機能から、Webサイトやアプリケーションでの利用が拡大しています。しかし、AVIFといった新しい画像フォーマットも登場しており、WebPの後継規格として注目されています。今後、WebPがどのように進化していくのか注目しましょう。

関連技術

WebM（WebPの姉妹プロジェクトである動画フォーマット）
VP8（WebMのビデオコーデック）
RIFF（WebPのコンテナ形式）
JPEG 2000、JPEG XR（WebPと同様にJPEGの置き換えを目指している競合規格）
* AVIF（実質的なWebP後継規格）

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