Guru Meditation

グル・メディテーションとは

グル・メディテーション（Guru Meditation）は、コモドールのパーソナルコンピュータAmigaの初期バージョンがクラッシュした際に表示されるエラーメッセージです。これは、Microsoft WindowsのブルースクリーンやUnixのカーネルパニックに相当する、システムが致命的な状態に陥ったことを示すものです。

その後、Varnish CacheやVirtualBoxなどのソフトウェアでも、回復不可能なエラーを示すメッセージとして使用されるようになりました。

概要

グル・メディテーションが表示された際、ユーザーが取れる選択肢は限られています。マウスの左ボタンを押してAmigaを再起動するか、右ボタンを押してROMWackを起動するかのいずれかです。ROMWackは、オペレーティングシステムに組み込まれた最小限のデバッガで、シリアルポート経由でアクセスできます。

アラートは画面上部の黒い長方形のボックスとして表示されます。境界線とテキストの色は、通常は赤色ですが、回復可能なアラートの場合は緑色または黄色で表示されます。システムに致命的な問題が発生した際にこのアラートが表示され、システムに回復手段がない場合や、重大な欠陥がある場合でも表示されます。極端な場合には、システムのメモリが完全に枯渇した場合にも発生します。

エラーコード

エラーコードは、ピリオドで区切られた2つのフィールドとして表示されます。CPUエラーの場合は`#0000000x.yyyyyyyy`、システムソフトウェアエラーの場合は`#aabbcccc.dddddddd`という形式です。1つ目のフィールドは、発生したMC68000例外番号（CPUエラーの場合）または内部エラー識別子（メモリ不足など）を示します。2つ目のフィールドは、タスク構造体のアドレスや、割り当て/解除に失敗したメモリブロックのアドレスです。エラーの原因となったコードのアドレスではありません。原因が不明な場合、この番号は`48454C50`と表示されます。これは、16進ASCIIコードで「HELP」を表します。

アラートメッセージは、多くのユーザーにとって理解困難です。技術に精通したAmigaユーザーであれば、例えば例外3がアドレスエラーであり、プログラムがメモリ上の境界整列されていないワードにアクセスしていることを理解できます。しかし、専門知識を持たないユーザーは、再起動する以外に有効な手段はありません。

Guru Meditationハンドラ

AmigaOSバージョン2.04以前には、GOMF（Get Outta My Face）という市販のエラーハンドラがありました。これにより、多くの種類のエラーに対応でき、ユーザーは問題のあるプロセスを削除するか、グル・メディテーションを表示させるかを選択できました。問題のあるプロセスを削除することで、データを保存し、再起動前に実行中のプログラムを終了させることが可能でした。しかし、このハンドラでも全てのエラーからユーザーを救うことはできませんでした。

回復可能なアラート

回復可能なアラートは、重大ではないクラッシュを示します。通常の赤色のグル・メディテーションは常に即座に再起動を必要としますが、回復可能なアラートの場合は、作業を再開してファイルを保存できる可能性があります。しかし、システムが不安定な状態になる可能性があるため、回復可能なアラートが発生した後は、できるだけ早く再起動することが推奨されます。

起源

「グル・メディテーション」という言葉は、初期のAmigaの社内ジョークから生まれました。当時、Amigaにはジョイボードという足で操作するジョイスティックのようなデバイスがありました。AmigaのOS開発初期に、開発者たちはシステムの頻繁なクラッシュに不満を抱き、リラックスのためにジョイボードを使って瞑想するゲームを作りました。プレイヤーは座って静止していなければならず、動きすぎると「グル・メディテーション」エラーが発生しました。これは、Wii Fitのバランスゲームに収録されているゲームに似ています。

レガシー

AmigaOSバージョン4.0以降では、「グル・メディテーション」は「Grim Reaper」に置き換えられましたが、プロンプトボックスにグル・メディテーション番号が表示されます。

MorphOSでは、「Application Is Meditating」（アプリケーションは「瞑想中」です）というエラーメッセージが表示されます。

Varnish Cacheは、重大なエラー発生時にグル・メディテーションを表示します。

マイクロコントローラのESP8266とESP32では、コアダンプやスタックトレースに「Guru Meditation Error: Core X panic'ed」（Xはクラッシュしたコアによって0または1）と表示されます。

VirtualBoxでは、仮想マシンモニターの重大なエラーを「Guru Meditation」という言葉で表します。

NewPipeでは、エラー報告に「Sorry, that should not have happened. Guru Meditation.」と表示されます。

外部リンク

* Joyboard Controller

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