HAL/チュルボメカ シャクティ

HAL/チュルボメカ シャクティ（アルディデン1H）

HAL/チュルボメカ シャクティ、チュルボメカでの名称はアルディデン1Hは、ヘリコプターのために設計された高性能なターボシャフトエンジンです。

開発の歴史

HAL（ヒンドスタン航空機）とチュルボメカ（現サフランヘリコプターエンジンズ）との間には、ヘリコプター産業における長年の協力関係があります。その始まりは1960年代に遡ります。

1961年、チュルボメカはアルトウステ ターボシャフトエンジンのライセンス生産を許可しました。これは、インドで製造されるアルエットII（インド名：Cheetah）およびアルエットIII（インド名：Chetak）ヘリコプターの生産に合わせたものでした。

シャクティ/Ardiden 1H プロジェクトは、1999年にHALが開発するドルーヴ ヘリコプターへの搭載を目指して始動しました。しかし、インドの核開発に対するアメリカの制裁措置により、計画は一時的に中断されました。当初、ドルーヴにはより出力の低いTM333エンジンが搭載される予定でした。

新型シャクティを搭載したドルーヴの最初の飛行試験は、2007年8月16日に行われました。そして、2007年末にはHALによるエンジンの生産が開始されました。

各型式の詳細

アルディデンエンジンには、複数の型式が存在し、それぞれが特定の用途や要件に合わせて開発されています。

アルディデン 1H: 2007年12月にEASA（欧州航空安全機関）によって認証されました。
アルディデン 1H1: 2009年3月にEASAの認証を取得。シャクティという名称で生産され、HAL ドルーヴやHAL 軽戦闘ヘリコプターに搭載されています。
アルディデン 1U: HAL 軽量汎用ヘリコプターへの搭載を目的としています。2019年11月にEASA認証を取得しました。
アルディデン 3C/WZ16: AC352ヘリコプターに搭載されています。このエンジンは、AECCコンソーシアムの一部であるCAPI（中国航空発動機公司）とDongan、そしてサフランヘリコプターエンジンズによって共同開発されました。当初、EASAの認証は2017年末まで、CAAC（中国民用航空局）の認証は2018年を予定していましたが、遅れて2018年4月にEASAでの認証を取得し、2019年10月にはCAACの認証も取得しました。
アルディデン 3G: Ka-62ヘリコプターに搭載されています。2011年にKa-62のエンジンとしてロシアンヘリコプターズによって選定されました。TBO（オーバーホール間隔）は5,000時間となっています。

仕様

以下に、アルディデンエンジンの一般的な特性と性能に関する情報を示します。

形式: ターボシャフト
圧縮機: 2段遠心式圧縮機、単段式高圧タービン
出力: 900kW（1,200shp）

まとめ

HAL/チュルボメカ シャクティ（アルディデン1H）は、長年にわたるHALとチュルボメカの協力関係から生まれた、信頼性の高いヘリコプター用エンジンです。多様な型式が存在し、各ヘリコプターのニーズに合わせた最適な性能を発揮します。

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