HANABI (Mr.Childrenの曲)

『HANABI』（ハナビ）

『HANABI』は、日本の人気バンドMr.Childrenの通算33枚目となるシングルで、2008年9月3日にトイズファクトリーからリリースされました。このシングルは通常盤のみの1形態で発売され、3か月連続リリースの第3弾として位置付けられています。前作『GIFT』の約1か月後にリリースされたことからも、バンドの活動の精力的な面が伺えます。また、CD EXTRA仕様で、表題曲のミュージックビデオも収録されています。アートディレクションは森本千絵が担当し、ジャケットデザインには花火が氷の中に打ち上がっているという独特のビジュアルが採用されています。

『HANABI』のリリース以降、Mr.Childrenは2012年4月まで新たなシングルを発表せず、その意味でも本作が持つ特別な価値が感じられます。

チャート成績

このシングルはオリコンチャートで、Mr.Childrenの歴史の中でも特筆すべき成績を収めました。5thシングル『innocent world』以来、29作連続で初登場1位を獲得し、初週売上は26万枚を記録しました。これにより、シングルの売上が25万枚を上回るのは3作ぶりのこととなりました。また、2週連続1位を達成し、最終的な累計売上は48.8万枚となり、2008年度の年間チャートでは6位にランクインしました。このことにより、Mr.Childrenは歴代1位となる6年連続で年間TOP10入りを果たしました。

発売から約10年が経過した2018年5月には、ストリーミングサービスでの配信が解禁され、Billboard JAPAN Top Streaming Songsで週間1位を獲得しました。ストリーミングサービスの普及により、2017年から2020年にかけて年間チャートに4年連続でランクインするなど、需要が高まっています。実際、2020年4月には、ストリーミングの再生回数が3000万回を超え、同年7月には5000万回、2022年3月には1億回を突破するという快挙も達成しました。この楽曲がMr.Childrenとして初めてストリーミング認定を受け、プラチナ認定をされたのも特筆すべき点です。

2021年8月25日には、ストリーミングでの累計再生回数が1億回を上回ったことが発表され、これは2000年代リリースの楽曲として初の成果となりました。

収録曲と楽曲解説

1. HANABI

この曲は、フジテレビ系ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の主題歌として知られています。ドラマのプロデューサーである増本淳氏は、『HANABI』をまるで6人目の登場人物のようだと述べており、ドラマの内容を深く支えている楽曲として評価されています。桜井和寿は、曲に込められたメッセージについて、「問題を抱えていない人はいないが、皆が素敵な明日を願って生きている」と語っています。実際、曲の誕生の裏には、桜井が金魚を世話している際のエピソードがあり、水の大切さに気づくことでこの楽曲が生まれました。

元々はタイトル未定でお蔵入り寸前だったものの、メロディと歌詞が組み合わさり形を成しました。ミュージックビデオの監督には大喜多正毅が起用され、すぐに高い評価を得ました。この曲は、ライブでも頻繁に演奏されており、その人気の高さが伺えます。

2. タダダキアッテ

これは11作目のアルバム『シフクノオト』の収録曲「タガタメ」に近いバージョンであり、カントリー調の軽快なアレンジが施されています。桜井は、このアレンジを聴くことで聴き手がそれぞれの解釈を持ち寄ることを期待していると語っています。

3. 夏が終わる 〜夏の日のオマージュ〜

桜井は、子供のころの夏の思い出を基に、この楽曲の歌詞を書いたとされています。過去の作品と関連しつつ、新たな視点で夏の終わりの切なさを描いています。

このシングルは、Mr.Childrenの音楽をより深く楽しむための貴重な一品であり、聴く人々の心に深く響く楽曲となっています。

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