CD EXTRA

CD EXTRA: 音楽とデータが一体化した新しいCD形式

CD EXTRA（シーディーエクストラ）は、音楽とデータを一枚のCDに収める新しい形態のディスクです。この形式は、音楽データ（CD-DA）とパソコンでアクセス可能なデータに分かれており、リスナーはオーディオプレーヤーで音楽を聴くことができ、同時にパソコンで特別なコンテンツを楽しむことも可能です。特に、英語圏では「Enhanced CD」とも呼ばれており、ボーナスディスクとしての利用が広がっています。

日本では、初めてのCD EXTRAとして野呂一生のアルバム『トップ・シークレット』が1996年にリリースされ、その後多くのアーティストがこの形式を利用しました。特にDREAMS COME TRUEやavex groupの作品が際立っており、このスタイルのCDが音楽シーンに新たな風をもたらしました。1996年から2000年代初頭にかけて多くのタイトルが製造されたものの、2002年から2004年にはCCCD（コピーコントロールCD）規格の回避のためにこの形式が選ばれることもありましたが、現在ではこの形式のCDはほとんど見かけなくなっています。たとえば、安室奈美恵の『Concentration 20』は、後にCD-DA仕様に戻されています。

CD EXTRAの最大の特徴は、音楽データとデータセッションが別々のセッションとして存在する点です。通常の音楽CDでは全ての情報が一つのセッションに記録されていますが、CD EXTRAでは音楽用セッションとデータ用セッションが明確に分かれています。このため、オーディオプレーヤーでは音楽部分が再生され、パソコンでは両方のセッションが扱え、音楽と特典データを同時に楽しむことができます。

CD EXTRAという規格は、当初「CD Plus」という名前で開発されていましたが、すぐに名称変更が行われました。現在でも、CD EXTRAには特有のロゴがあり、通常のCD-DAロゴの隣に「+」が付いていることが特徴として残っています。

CD EXTRAとミックスモードCDの違い

CD EXTRAに似た技術には、ミックスモードCDがあります。ミックスモードCDでは、音楽データとデータが同じセッション内に並列されていますが、1トラック目にはデータが、2トラック目以降には音楽データが収録されています。この方式は、オーディオプレーヤーで初トラックを再生すると激しいノイズが発生するため、ハードウェアに悪影響を与えるリスクがあるという欠点がありました。CD EXTRAはこれらの問題を改善した形式と言えます。

例としては、PCエンジンCD-ROM2やセガサターン、初代PlayStationなど、多くのゲーム関連媒体がミックスモードCDを使用していますが、これはCD EXTRAとは異なるアプローチを取っているため注意が必要です。

関連項目

• - コンパクトディスク
• - CD-DA
• - CD-ROM
• - コピーコントロールCD

CD EXTRAは、音楽とデータを融合させた革新的な形式であり、リスナーに新しい体験を提供しました。音楽CDの未来を考える上で重要なマイルストーンとなったことは間違いありません。

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