HEART ACE

アルバム『HEART ACE』の概要

RCサクセションの13枚目となるアルバム『HEART ACE』は、1985年にリリースされました。この作品は、RCサクセションが事務所を独立した後に制作された初のアルバムです。発売日についての報告は分かれており、公式には1985年11月21日とされていますが、LPレコードやカセットテープのジャケット表示では11月30日となっています。これに関連して、当時のプロモーション用カセットにも同様の情報が掲載されており、こちらが正確である可能性も考えられます。

シングル『すべてはALRIGHT (YA BABY)』とプロモーション

アルバムの発表に先立ち、シングル『すべてはALRIGHT (YA BABY)』がPARCOのCMに使われ、RCサクセションのメンバーがそのプロモーションにも参加しました。しかし、仲井戸麗市はプロモーション活動を好まなかったため、CMに出演することがストレスになり、落ち込んでしまったというエピソードもあります。彼は自身のソロ作品の制作やツアーの準備に時間を取られ、アルバム制作にはあまり参加できませんでした。その結果、曲作りの中心は忌野清志郎と小林和生が担うことになりました。

曲作りのプロセス

忌野はこのアルバム制作の過程について、「何を歌うべきか分からなかった」と語っており、実際に楽曲制作のために北陸地方にドライブ旅行に出かけました。この旅行の際に『海辺のワインディングロード』などの曲が制作されたと言われています。また、本作はミキシングの問題により、音質があまり良くなかったため、リリース直後に音源のリミックスを行ったミニ・アルバム『NAUGHTY BOY』が制作されています。このアルバムは、忌野の個人的なプロデュースにより仕上げられました。

収録曲の魅力

本アルバムには、以下のような多彩な楽曲が収録されています：

• - SKY PILOT：セックスと飛行機の離着陸をダブルミーニングで表現した歌詞。
• - 僕とあの娘：お互いの傷をかばい合いながら寄り添う男女の愛を描いた楽曲。
• - DRIVE：性行為を連想させるダブルミーニングの曲。
• - GONE GONE：ブルースのベースラインに乗せた言葉遊びの楽曲。
• - 横浜ベイ：後奏にオーティス・レディングのフレーズが挿入されている。
• - 海辺のワインディング・ロード：北陸地方のドライブ時に生まれた楽曲で、心身のリフレッシュを描いている。

他にも、仲井戸麗市のボーカル曲『GLORY DAY』や、忌野が作詞・作曲を担当した『山のふもとで犬と暮らしている』など、各曲にそれぞれの背景やストーリーがあります。

メンバーとスタッフ

アルバム『HEART ACE』には、以下のメンバーが参加しています：

• - 忌野清志郎（ボーカル、ギター、ブルースハープ、コーラス）
• - 仲井戸麗市（ギター、ボーカル）
• - 小林和生（ベース、アコースティックベース）
• - 新井田耕造（ドラムス、シモンズ）
• - Gee2wo（キーボード、ギター）

また、ブルーデイ・ホーンズとして梅津和時、片山広明、菊池隆、春日博文なども参加し、サウンドに厚みを加えています。

まとめ

『HEART ACE』は、RCサクセションの音楽性を余すところなく表現した作品であり、メンバー同士の関係性や音楽に対する姿勢が反映された一枚です。プロモーションや制作の過程での苦悩も含め、聴く者に深い感動を与えるアルバムとなっています。

もう一度検索