HEMU-430X

HEMU-430Xの概要

HEMU-430X（Highspeed Electric Multiple Unit - 430km/h eXperiment）は、韓国鉄道技術研究院（KRRI）が主導する次世代の高速鉄道車両開発プロジェクトです。2020年の商用化を目指し、さまざまな研究機関によって進められています。当初はHEMU-400Xという名称で進められていましたが、最高速度の目標が30km/h引き上げられ、HEMU-430Xに改名されました。この名称は、韓国語で「海霧（해무）」や「韰騖（速く走行すること）」を意味しています。

開発の背景

このプロジェクトは、2007年から始まり、2015年までの8年間で約1182億ウォンの予算が費やされています。開発されている車両は、設計された最高速度が430km/h、営業運転時の目標速度は370km/hです。特に、動力分散方式を採用しているため、これにより高い粘着力を必要とする300km/h以上の運行が可能になります。これによって、停車から300km/hへの加速がKTX-山川で5分1秒かかるのに対し、HEMU-430Xでは3分53秒に短縮されています。

技術的特長

車体の構造

HEMU-430Xの車体はKTX-山川と同様、アルミ製のダブルスキン構造を採用しています。しかし、重量を約5％軽量化し、遮音性能も向上させるなどの最適化が図られています。

電動機の性能

試験車両は6両編成で構成されており、比較のために従来の誘導電動機と効率の良い永久磁石同期電動機の両方が使われています。両者とも最大出力は410kWで、各動力車に4基搭載されています。これらのシステムは、試験運行を通じて性能評価が行われ、最終的には量産車に最適なものが採用される見込みです。

台車の設計

台車には、ITX-青春と同じく軸梁式ボルスタレス台車が採用されており、振動を軽減するためのダンパーやアンチロールバーが設置されています。これにより乗客の快適性が向上します。また、大韓民国の鉄道車両として初めてセミアクティブサスペンションも採用される予定です。

未来の展望

HEMU-430Xの量産車は1600両規模の新規高速鉄道車両の需要に応える形で展開される計画です。2009年には外装と内装のデザイン案が発表され、2012年には試験車両が出庫されました。そして2013年のテストでは最高速度421.4km/hを記録しました。

しかし、韓国の現行の高速鉄道路線は370km/hの営業運転に対応できないため、これを実現するためには大規模な改修または新線の建設が必要です。このため、国内での実用化が難しいとの声も上がっており、海外への技術移転を視野に入れた展開も求められています。

開発の経過

HEMU-430Xの開発プロジェクトは2007年に開始され、その後も様々な技術的な進展が報告されています。2012年には400km/hを突破し、2013年には421.4km/hをも達成しました。これらの進展は、韓国鉄道の未来に大きな期待を寄せています。

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