HIDE×HIDE

HIDE×HIDE

HIDE×HIDE（ひでひで）は、東京都を拠点に活動する二名の音楽家からなるユニットです。メンバーは、尺八奏者の石垣秀基と中棹三味線奏者の尾上秀樹。日本の伝統楽器を用いながらも、その音楽性はジャンルにとらわれず、国内外で高い評価を得ています。

音楽性と特徴

彼らのサウンドの核となるのは、石垣が奏でるメロディアスでエモーショナルな尺八と、尾上の力強くエッジの効いた中棹三味線が織りなす独特の響きです。この二つの楽器の組み合わせは、時に激しく、時に叙情的に変化し、唯一無二の世界観を創り出しています。聴衆を圧倒するような迫力あるパフォーマンスも、彼らの大きな魅力の一つであり、邦楽界において特に注目を集める存在となっています。

来歴

ユニットは2007年、ソニー・ミュージックダイレクトよりアルバム『日本〜Neo Japanesque』でメジャーデビューを果たしました。当初の表記は「秀々」でしたが、2009年にHeart Labelへの移籍を機に「HIDE-HIDE」へと改名します。同年には、ロシアの著名な映画音楽作曲家ミカエル・タリヴェルディエフの作品を集めたアルバム『nostalgia』を日本とロシアで同時リリースし、これが国内外で高く評価される契機となりました。

国際的な活躍が本格化したのは2010年です。ロシアで開催された国際コンクール「TEREM Crossover International Music Competition」に出場し、見事優勝を果たしただけでなく、特別音楽賞も獲得しました。この受賞により、彼らはその後2年間にわたるロシアでのコンサート活動の支援を受ける権利や、著名なTEREM QUARTETとの共演権を得ました。同年5月にはTEREM QUALTETの来日公演にゲストとして参加し、8月にはスピッツベルゲン島での音楽祭、12月にはモスクワ・国立クレムリン宮殿でのタリヴェルディエフ追悼コンサートにゲスト出演するなど、精力的にロシアでの活動を展開しました。

2011年には、クラシック音楽の楽曲を和楽器で演奏したアルバム『音呼知新』を発売。このアルバムは日本国内だけでなく、アルバム発売記念として敢行されたロシア・シベリアツアーでも大きな称賛を受けました。2012年には、前作から2年ぶりとなるオリジナルアルバム『ZIPANG』を発表。同年3月には「TEREM Crossover International Music Competition」のオープニングアクトを務め、さらにロシア国内5都市を巡るツアーを成功させました。同年6月には、スペイン・セゴビアで開催された欧州連合フォーク・フェスティバルに参加するなど、活動の場を広げていきました。

2013年にはオリジナルアルバム『Encounter』をリリースし、発売記念コンサートを銀座のヤマハホールで開催しました。同年9月には、ロシアのカリニングラードやリトアニアで開催されたイベントに参加。この頃、ユニット名の表記を「HIDE-HIDE」から「HIDE+HIDE」に変更し、その後現在の「HIDE×HIDE」へと改めています。この改名を経て、彼らはさらなる国際的な活躍を目指しています。

メンバー

尾上 秀樹（おのうえ ひでき）
担当：中棹三味線
出身：東京都
経歴：1975年9月28日生まれ。6歳から母であり藤本流総大師範の藤本弥尾地に師事。90年代にはロックバンドでベース奏者として活動した経験を持ち、2001年に三味線に回帰してからは、そのロックテイストを感じさせる独自の音楽性を探求し続けています。身長185cm。趣味はドラム、お酒、野球観戦（広島カープファン）。好きな色は赤。好きな映画は『シザーハンズ』、『ライフ・イズ・ビューティフル』、ホラー映画。好きな音楽はヘヴィメタル。好きな食べ物はカレー、寿司、生クリーム、ビール。好きな言葉は「一日一善」。

石垣 秀基（いしがき ひでき）
担当：尺八
出身：東京都
血液型：AB型
経歴：1981年10月26日生まれ。都山流尺八師範（二代・石垣征山）。幼少期より父・石垣征山に師事し、その後、人間国宝である山本邦山に師事しました。2005年に東京藝術大学音楽学部邦楽科を卒業。東京邦楽コンクール一位（2007年）、くまもと全国邦楽コンクール最優秀賞・文部科学大臣奨励賞（2010年）、都山流尺八楽会主催本曲コンクール全国大会一位（2013年）など、数々の賞を受賞しています。幅広い音楽的素養に裏打ちされた、その躍動感と叙情性を兼ね備えた表現力は高く評価されています。身長178cm。趣味はモンスターハンター、読書、妄想。好きな色はオレンジ。好きなアーティストは坂本龍一。好きな作家は北方謙三、尾田栄一郎（『ONE PIECE|ONE_PIECE』ファン）。座右の銘は「案ずるより産むが易し」。

ディスコグラフィー

主なアルバムとして以下の作品があります。

『日本〜Neo Japanesque』（2007年）
『nostalgia』（2009年）
『音呼知新』（2011年）
『ZIPANG』（2012年）
『Encounter』（2013年）

関連事項

HIDE×HIDEは、ゲーム音楽の分野でも活動しており、人気シリーズ『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U|大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS _ Wii U』や『モンスターハンターシリーズ』の楽曲編曲やレコーディングに参加しています。

尺八と三味線という伝統楽器の可能性を広げ、国内外で精力的に活動を続けるHIDE×HIDEは、邦楽界における革新的な存在として、今後のさらなる飛躍が期待されています。

もう一度検索