HOスケール機甲師団シリーズ

HOスケール機甲師団シリーズ

HOスケール機甲師団シリーズは、1974年にクラウンモデルと一光模型の共同制作により発売された、HOスケール（1/87）での戦車プラモデルシリーズです。このシリーズは、両社がそれぞれ5点ずつ提供し、合計で10点をラインナップしています。

製造元について

まず、クラウンモデルは1960年代中頃からプラモデルの製造・販売を開始し、特に1/144スケールの航空機キットで有名です。2011年以降、モデルガンを中心に取り扱うようになりました。対する一光模型は、同じく1960年代初頭から活動し、70年代後半まで存在した初期のプラモデルメーカーとされています。

HOスケール機甲師団シリーズの各車両は、オーストリアのロコのミニタンクシリーズをモデルにしていますが、独自の工夫として転輪とキャタピラが分離され、軟質樹脂で作られたキャタピラが採用されています。この設計により、よりリアルな見た目を実現しました。また、戦車本体以外にも、小型車両やバリケードなどのアクセサリーが付属しているキットも用意され、バラエティ豊かなラインナップとなっています。

スケールとフィギュア

本シリーズはHOスケール（1/87）であるものの、従来のミニタンクシリーズの一部はそのスケールよりも小型化されているため、本シリーズでも同様の現象が見受けられます。さらに、エアフィックスのOOスケール（1/76スケール）を基にしたフィギュアセットも展開されており、プラモデルをより一層引き立てています。

各種の番号と発売状況

このシリーズでは、番号1、4、7、10、13が一光模型から、3、6、9、12、15がクラウンモデルから発売されました。興味深いことに、2、5、8、11、14の番号は欠番となっていますが、これらは1973年から74年にかけてIMC模型研究会がエアフィックスと共同で模索を行った結果という可能性があります。

1974年という年は、他の主要メーカーを含め、ミリタリーモデルの開発が一斉に進められた時点でもありました。このため、HOスケール機甲師団シリーズは、既存の製品のリニューアルに過ぎないとみなされ、あまり注目を集めなかったと言われています。

海外での展開

このシリーズはアメリカのAHM（Associated Hobby Manufacturers）社でも販売されており、AHMは鉄道模型を主力にしながら、1960年代から70年代にかけて多様なプラモデルの輸入・販売に携わっていました。本シリーズのフィギュアセットを除く8点が、1970年代半ばに自社パッケージで販売され、パッケージデザインはほぼオリジナルの形を保ちながらも、自社ロゴや独自製品番号が追加されています。

製品一覧

シリーズ番号ごとの製品には、箱絵に描かれた内容と実際の商品に違いがあることも多く見受けられ、例えば、シリーズ番号1はドイツのPaK 36が描かれていますが、実際に販売されていたのは米軍のM3に近い商品であったりします。こうしたことは、他のシリーズ番号についても類似の状況が確認されています。

まとめ

HOスケール機甲師団シリーズは、歴史あるプラモデルメーカー2社の協力により誕生したシリーズであり、独自のデザインとアクセサリー、さらにはフィギュアの供給によって、多様な模型趣味の発展に寄与しました。現代においても、そのデザインや構造に対する理解が深まることで、再評価の可能性が期待されます。

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