ミリタリーモデル

ミリタリーモデルとは

ミリタリーモデルは、主に第二次世界大戦以降の陸戦兵器を再現した模型のジャンルです。戦車、装甲戦闘車両（AFV）、非装甲車両（ソフトスキン）、火砲、小火器といった兵器に加え、兵士のフィギュアも含まれます。これらの模型は、ポリスチレン製のプラモデルが主流ですが、レジンキャスト製のガレージキットや金属製の模型も存在します。また、ミニカーの形式でミリタリーモデルが作られることもあります。

「ミリタリー」という言葉は、広義には軍隊や軍事全般を指しますが、狭義には陸軍を指します。そのため、「ミリタリーモデル」という言葉は、広義には軍用機や軍艦などの模型も含むことがありますが、日本では主に陸軍の兵器や兵士を扱った模型を指すことが一般的です。

スケール

ミリタリーモデルには様々なスケールが存在し、以下のようなものがよく使用されます。

1/32: かつてはプラモデルの初期に存在しましたが、現在はフィギュアや航空機モデルのアクセサリーとしての需要が多いです。
1/35: ミリタリーモデルの最も標準的なスケールです。タミヤが採用し、その高品質が世界的に認められ、多くのメーカーが追随したことで事実上の世界標準となりました。
1/48: 航空機モデルの標準スケールですが、近年ではタミヤがミリタリーモデルに本格参入し、標準スケールとなりつつあります。
1/72: 航空機モデルの標準スケールに合わせ、ミリタリーモデルも多く発売されています。特に近年は中国や旧ソビエト・東欧圏のメーカーが積極的に開発しています。
1/76: 元々はイギリスの鉄道模型のスケールでしたが、一時期はミリタリーモデルの標準スケールでした。現在は1/72が主流となっています。
1/87: 欧米の鉄道模型のスケールに合わせて作られたミリタリーモデルがあります。
1/1|1_144: 食玩のミリタリーモデルでよく使われるスケールです。

これらの他にも、大型の1/24や1/1|1_16、より小型の1/1|1_160や1/285といったスケールも存在します。

ミリタリーモデルの歴史と対象

ミリタリーモデルは、主に第一次世界大戦以降の陸戦兵器を対象としています。モデル化の対象は、就役時期によって以下の3つのグループに分けられます。

1. 第一次世界大戦から第二次世界大戦開始まで: この時期の戦闘車両は種類が少ないため、モデル化されている数は少なめです。
2. 第二次世界大戦中: 戦車や自走砲が大きく進歩した時期であり、多くのバリエーションが実戦に参加したため、モデル化されている製品も非常に多いです。特にドイツ軍のモデルは人気が高く、試作段階のものまで製品化されています。次いで、アメリカ軍、ソビエト軍、イギリス軍のモデルが多く、フランス、イタリア、日本などのモデルは主要な戦車に限定されています。
3. 第二次世界大戦後: 戦車の開発が鈍化したため、製品化されている数は第二次世界大戦中のモデルよりは少ないものの、朝鮮戦争やベトナム戦争、中東戦争などに参加したアメリカ軍やソビエト/ロシア軍の兵器が人気です。

その他のモデル

フィギュアでは、第一次世界大戦以前の兵士や、大砲を再現したモデルも存在しますが、これらはヒストリカルモデルとして扱われ、ミリタリーモデルには含まれないのが一般的です。また、キャラクターモデルの中には、非常にミリタリーモデルに近いものも存在します。

参考文献

日本プラモデル工業協同組合編 『日本プラモデル50年史』 文藝春秋企画出版部、2008年　ISBN 978-416008063-8
GEIBUNMOOKS 『プラモデルカタログ2011』 芸文社、2011年　ISBN 978-4863961104

関連項目

スズの兵隊(ブリキの兵隊)
ミリタリーミニチュアシリーズ
ミニボックスシリーズ
ミニボックスEシリーズ
機甲師団シリーズ
インスタントタンクシリーズ
マルサン機甲師団シリーズ
HOスケール機甲師団シリーズ

脚注

外部リンク

タミヤ公式サイト（タミヤ）
株式会社ドムス（ウェブアーカイブ、東京都新宿区百人町）
Henk of Holland Military Vehicles Scale 1/72-1/76（英語）

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