High Efficiency Image File Format

High Efficiency Image File Format (HEIF)の概要

HEIF (High Efficiency Image File Format) は、Moving Picture Experts Group (MPEG)によって開発された、新しい画像ファイルフォーマットです。JPEGの後継フォーマットとして期待されており、高圧縮率と高画質を両立する特徴を持っています。ファイル形式の拡張子は、通常.heicまたは.heifです。

HEIFの開発と普及

HEIFの要件と主要な用途は2013年に定義され、その後約1年半の開発期間を経て、2015年夏に仕様が完成しました。2017年にはAppleがmacOS High SierraとiOS 11でHEIFをサポートしたことで、広く認知されるようになりました。その後、MicrosoftもWindows 10でHEIFに対応するなど、主要なOSベンダーによるサポートが進んでいます。ただし、Adobe Photoshopなど、一部のソフトウェアでは、HEIFのサポートが限定的である場合もあります。

HEIFの特徴

HEIFの主な特徴は以下の通りです。

高圧縮率: HEIFは、従来のJPEGよりもはるかに高い圧縮率を実現します。これは、HEVC (High Efficiency Video Coding)という高度な圧縮技術を利用しているためです。特に、動画や画像シーケンスの圧縮においてその効果は顕著です。
高画質: 高圧縮率でありながら、HEIFはJPEGと同等、もしくはそれ以上の画質を維持することができます。
多様なデータの格納: HEIFは、単一の画像だけでなく、複数の画像、動画、メタデータなどを一つのファイルに格納できます。例えば、バースト撮影で得られた複数枚の写真を一つのファイルにまとめたり、画像に位置情報などのメタデータを埋め込んだりすることができます。
メタデータサポート: EXIFやXMPなどのメタデータを保存できます。
効率的な画像表現: 複数の画像やシーケンスを効率的に格納し、ファイルサイズを削減します。時間的な関連性のある画像をまとめて圧縮することで、ストレージ容量の節約に貢献します。
派生画像の生成: 回転やグリッド、オーバーレイなどの処理で生成される派生画像を、メインの画像ファイルに格納できます。

HEIFの技術的な側面

HEIFは、ISOベースメディアファイルフォーマット(ISO/IEC 14496-12)と互換性があります。これは、HEIFファイルに、タイムドテキストやタイムドオーディオといった他のメディアストリームを含めることができることを意味します。

HEIFファイルは、以下のデータを含めることができます。

個々の画像とそのプロパティ、サムネイル
派生画像
イメージシーケンス
補助画像アイテム
* メタデータ

HEIF自体はコンテナフォーマットであり、画像データの圧縮にはHEVCが用いられることが多いです。そのため、HEVCの特許ライセンスに留意する必要があります。

HEIFのサポート状況

現在、Windows、macOS、多くのLinuxディストリビューションではHEIFが標準でサポートされています。ただし、古いバージョンのOSや一部のソフトウェアでは、HEIFファイルのサポートが限られている場合があります。

HEIFと他の画像フォーマットとの比較

HEIFは、WebP、BPG、FLIFなどの他の画像フォーマットと比較されることがよくあります。これらのフォーマットはそれぞれ異なる特徴と長所を持っていますが、HEIFは高圧縮率と高画質のバランスにおいて優れた選択肢の一つです。

まとめ

HEIFは、高圧縮率、高画質、そして多様なデータの格納を可能にする次世代の画像ファイルフォーマットです。多くのOSベンダーによるサポートが進んでいることから、今後ますます普及していくことが期待されます。

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