Hot Soup Processor

ホットスーププロセッサー（HSP）

ホットスーププロセッサー（HSP）は、1995年におにたまによって開発されたプログラミングツール及びその専用言語です。HSPを略称として、特にゲームやアプリケーションの開発に広く利用されています。

歴史

初期の開発

HSPは、1994年にPC-9800シリーズ向けのlight SOUP processor（LSP）として始まりました。LSPの名称は「sequential output control processor」の略で、テキストスクリプトのインタープリタを意味しています。その言語仕様は、米ダートマス大学によって開発されたBASIC言語に基づいているものの、BASICとの互換性はありません。1995年には、Windows 3.1を対象としたHSP1.0の開発が始まり、1996年にはフリーウェアとして公開されました。おにたまは、HSPを「自分にとって必要なために作ったソフト」と述べており、個人のニーズに応じた開発が行われたことが伺えます。

1997年にはHSP2.0がリリースされ、32ビットアプリケーションとしての機能が追加されました。このバージョンでは、定数や文字列型の変数に対応し、さらには後のバージョンで3D描画機能も導入されます。HSPは1999年と2001年にそれぞれ「Microsoft DXSD賞」や「オンラインソフトウェア大賞」を受賞し、その有用性が認められました。

HSP3の登場

2005年にHSP3.0が発表され、Windows 98以降への対応がなされました。このバージョンでは、文法の見直しやWindowsとの親和性向上が図られ、一部書式が変更されるなどの改良が行われました。2007年にはHSP3.1がリリースされ、機能の改善や新たなプラグインの追加、さらにBSDライセンスによるソースコードのオープン化が進められました。

HSP3.3は2011年にリリースされ、iOSやAndroidなど様々なプラットフォームでの実行が可能になりました。また、HSP3用のポータルサイト「HSPTV!」が設立され、ユーザー同士の交流を促進する場も提供されています。

特徴

HSPは手続き型言語であり、『子供でも理解し易いプログラム言語』をコンセプトにしています。特に、低年齢向けの解説書も出版されており、学習しやすいことが特徴です。また、ユーザーはスクリプトを記述することなく、ウィンドウの作成や制御を自動的に行うことができます。コンソール版HSP（HSPCL）を使用すれば、コマンドプロンプト上での開発も可能です。

HSPは元々Windowsを対象としていますが、Mac OSへの移植版や、Linuxへも有志によって移植が進められています。2018年にはRaspberry PiやLinuxに対応したHSP3が正式に発表され、今後の展開が期待されています。

開発環境

HSPには専用のスクリプトエディタが付属しており、一般的なテキストエディタの機能に加え、コンパイルや外部ツールの呼び出しが可能です。新しいPeasエディタも導入され、初心者でも簡単にプログラム運成できる環境が整っています。

言語仕様の特徴

HSPの構文はBASICを踏襲しており、行番号を用いない点が特徴です。変数の前に定義を行う必要がなく、変数名には日本語も使用可能です。また、Windowsのコモンコントロールや3Dグラフィックスライブラリにも対応しており、強力な拡張性を持っています。

まとめ

ホットスーププロセッサーは、そのシンプルさと高い柔軟性により、初心者から経験者まで幅広く支持されています。教育利用も進んでおり、プログラミングを学ぶための非常に有用な環境を提供しています。これからの発展にも期待が寄せられるプログラミングツールです。

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