I号対戦車自走砲

I号対戦車自走砲の概要

I号対戦車自走砲（Panzerjäger I）は、ドイツのI号戦車B型を基に改造された自走砲で、第二次世界大戦の初期に開発された重要な兵器です。この自走砲は、ナチス・ドイツによる対戦車自走砲の開発の先駆けとなったもので、多くの後継モデルに影響を与えました。

装備された武器

I号対戦車自走砲に搭載されたのは、チェコスロバキアのシュコダ社が製造したM1938対戦車砲であり、ドイツでは4.7cmPaK(t)として知られています。この対戦車砲は、当時のドイツ軍主力対戦車砲であったラインメタル社製の3.7 cm PaK 36よりも遥かに優れた装甲貫通力を持っていました。これにより、I号対戦車自走砲は非常に効果的な対戦車戦力として運用されることとなりました。

生産と改良

この自走砲は、後に様々な改造を行うアルケット社の設計の下、ダイムラー・ベンツ社とビューシンクNAG社によって改造部品が制作されました。1940年5月までに、前期生産型として130輌が完成し、その後2輌が追加されることで、合計132輌がシュコダ社で組み立てられました。これらは特に対仏戦において、強力な対戦車火力として活躍しました。

さらに、対ソ戦に備えた追加生産が行われ、クルップ社によって新しい改造用部品が制作されました。この後期生産型は、1940年12月までに70輌が完成し、戦闘室の装甲板が後方に回り込む形状を持ち、装甲面積が増加しました。

重要な役割

I号対戦車自走砲は、その後の自走砲開発の基準となり、1943年末頃まで第一線で活躍し続けました。このように、I号対戦車自走砲は、第二次世界大戦中の自走砲開発において極めて重要な役割を果たしました。

他のタイプのI号対戦車自走砲

I号対戦車自走砲には、他にもいくつかのバリエーションがあります。

• - I号3.7cm対戦車自走砲A/B型 : I号戦車A/B型に3.7cm Pak 35/36を搭載しており、対ポーランド戦で使用されました。
• - I号5cm対戦車自走砲B型 : I号戦車B形に5 cm PaK 38を搭載し、現地改造で製造されています。
• - I号7.5cm対戦車自走砲B型 : I号戦車B型にIII号突撃砲G型の7.5cm StuK 40を搭載し、実際にベルリンでの戦闘に参加しました。

総括

I号対戦車自走砲は、その革新的な設計と戦闘能力により、ドイツ軍が自走砲を戦術に取り入れる際の重要な第一歩となりました。これらの自走砲は、戦場での装甲車両に対する効果的な対策として、多くの成功を収めたのです。

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