I&S BBDO

株式会社I&S BBDO

株式会社I&S BBDO（アイアンドエス・ビービーディオー）は、東京都中央区に本社を構える、日本を代表する大手広告代理店の一つであり、世界的な広告・マーケティングサービス企業であるオムニコムグループの傘下にあります。その事業は、国内外のクライアントに対して、幅広い広告および統合マーケティングコミュニケーションサービスを提供することにあります。

沿革

同社の歴史は、第二次世界大戦終結から間もない1947年（昭和22年）6月に設立された第一広告社に遡ります。第一広告社は、設立後に読売グループとの関係を深めながら、日本の広告業界において確固たる地位を築いていきました。

転換点となったのは、1986年（昭和61年）10月です。セゾングループに属し、SP（セールスプロモーション）分野で実績を上げていたSPN（西武プロモーションネットワーク）と第一広告社が対等な立場で合併し、株式会社I&Sが誕生しました。この社名である「I&S」には、「インテリジェンス＆ストラテジー」という意味合いに加え、前身である「一広（いちこう）」（第一広告社の通称）と「セゾン」を組み合わせた意味も込められており、両社の強みを融合させた新たな出発を示すものでした。

続く大きな変化は、グローバルな提携によってもたらされました。1998年（平成10年）には、アメリカに本拠を置く世界的な広告代理店グループであるオムニコムグループと資本提携を締結し、同年6月にはオムニコム傘下の主要エージェンシーネットワークであるBBDOワールドワイドとの業務提携を開始しました。この提携は、I&Sが持つ国内での知見とBBDOが有する国際的なネットワークおよびノウハウを融合させることを目的としていました。

そして、グローバルネットワークとの連携をさらに強化する形で、2000年（平成12年）4月には社名を株式会社I&S/BBDOに変更しました。これが現在のI&S BBDOの直接的な前身となります。その後、社名からスラッシュが取れ、現在の株式会社I&S BBDOに至っています。

社名変更以降も、事業の多角化とグループ体制の強化が進められました。

2002年（平成14年）5月：リージョナルエージェンシーとして株式会社BBDO J WESTを子会社として設立。
2004年（平成16年）1月：デジタルマーケティングや顧客関係管理（CRM）分野を担うニクスプロキシミティを子会社として設立。
2008年（平成20年）10月：ニクスプロキシミティがプロキシミティジャパンに社名変更。
2010年（平成22年）：オムニコムグループのメディアエージェンシー部門であるオムニコム・メディア・グループ（OMG）と業務提携し、メディアプランニング・バイイングサービスを提供するPHDジャパンのサービスを開始。
2015年（平成27年）7月：プロキシミティジャパンが株式会社BBDO JAPANに社名変更。

これらの組織再編や新会社の設立を通じて、I&S BBDOグループは、クリエイティブ、SP、デジタル、メディアなど、多岐にわたる広告・マーケティング領域において専門性の高いサービスを提供できる体制を確立しています。

代表的な広告・関連事項

同社の前身である第一広告社やI&S時代を含め、数多くの著名な広告キャンペーンを手掛けてきました。特にセゾングループとの関係が深かった時代には、バブル期を象徴するようなクリエイティブな広告を多数生み出しました。その代表例として、セゾンカードのキャッチコピーとして広く知られる「カードの切り方が人生だ」が挙げられます。

また、かつてはゲームソフトメーカーであるハドソンの広告業務を担当していたことでも知られています。

主な関連人物（敬称略）

会社の設立や発展に貢献した主な人物として、以下の方々が挙げられます。

第一広告社時代：樋笠一夫
SPN時代：庵豊、石原恒和、藤川正治、桝田省治
I&S時代：田中洋江、手塚るみ子

株式会社I&S BBDOは、日本の広告界における長い歴史と伝統を受け継ぎつつ、グローバルなネットワークと最新の知見を融合させることで、変化の激しい現代のマーケティング環境において、クライアントの課題解決と事業成長を支援し続けています。

* 外部リンク：I&S BBDO公式サイト

もう一度検索