IBMビジネスコンサルティングサービス

IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社（IBCS）：歴史と概要

IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社（IBCS）は、かつて存在したIBMの日本におけるビジネスコンサルティング部門です。2010年4月1日、日本アイ・ビー・エム株式会社と経営統合し、現在は同社のグローバル・ビジネス・サービス事業の一部として活動しています。

IBCSの前身は、PricewaterhouseCoopers（PwC）の日本法人であるPwCコンサルティング株式会社でした。2002年、IBMがPwCの経営コンサルティング部門を買収した際に、日本市場においては、PwCコンサルティング株式会社をIBCSとして継承しました。他の国々ではIBMのビジネスコンサルティング部門と統合されましたが、日本においては、IBCSは日本アイ・ビー・エム株式会社とは別法人として存続し、協業関係を築いていました。

日本アイ・ビー・エム株式会社との関係性

IBCSはIBMの完全子会社でしたが、日本アイ・ビー・エム株式会社とは直接的な資本関係はありませんでした。そのため、しばしば日本アイ・ビー・エム株式会社の子会社と誤解されることもありましたが、これは正しくありません。日本アイ・ビー・エム株式会社はIBM AP Holdingsの完全子会社であり、IBCSはIBMの直接の子会社であるため、厳密には関連会社というよりは、兄弟会社のような関係と言えます。

しかしながら、グローバルレベルでは、IBCSと日本アイ・ビー・エム株式会社はIBM Global Business Services（GBS）という単一の組織として連携しており、両社の責任者を兼任するケースも多くありました。営業活動も日本アイ・ビー・エム株式会社に集約されていたため、顧客にとって両社を明確に区別する必要性は低いものでした。

沿革とPwCからの継承

IBCSの歴史は、PwC Consultingの買収に遡ります。IBMは2002年、当時世界最大の会計事務所だったPwCの経営コンサルティング部門を39億ドルで買収しました。この買収に伴い、日本法人のPwCコンサルティング株式会社がIBCSとして継承されたのです。なお、PwC Consultingは買収発表の前日に、IBMへの売却が発表されるまで、上場準備を進めていました。

IBCSは、PwCのルーツである1846年創業のサミュエル・L・プライスによる会計事務所まで歴史を遡る、長い歴史を持つコンサルティングファームの系譜を受け継いでいます。2002年10月1日にIBCSとして発足し、2010年4月1日に日本アイ・ビー・エム株式会社と統合されるまで、日本市場において独自の道を歩みました。

採用について

IBCSでは、新卒採用において、社員が自身のキャリアプランに合わせて採用形態を選択できる制度がありました。通常の正社員採用に加え、インセンティブに重点を置いたプロフェッショナル・コントラクト（PC）採用など、多様な選択肢を提供していました。

まとめ

IBCSは、IBMのグローバルなビジネスコンサルティング事業における重要な役割を担い、PwCという名門コンサルティングファームの伝統とIBMの技術力を融合した、独自の道を歩んできました。日本アイ・ビー・エム株式会社との統合後も、その経験と専門知識は、日本市場におけるIBMのビジネスコンサルティングサービスに活かされていると言えるでしょう。

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