IBM東京基礎研究所

IBM東京基礎研究所について

IBM東京基礎研究所（IBM Research - Tokyo）は、IBMが展開する12の基礎研究所の中でも重要な役割を果たす拠点です。この研究所は、1982年にJapan Science Institute（JSI）として東京都千代田区三番町に設立され、1986年にIBM Tokyo Research Laboratory（TRL）に名称変更されました。それ以降、約200名の研究者が所属し、さまざまな分野での研究開発を行っています。

歴史

東京基礎研究所の初代所長には小林久志が就任し、その任期は1982年から1986年までの間でした。設立当初から多くの実績を上げており、特に1988年には英語-日本語の機械翻訳システム「System for Human-Assisted Language Translation」（SHALT）の開発に成功しました。このシステムは、IBMの製品マニュアルの翻訳に利用されました。

1992年には研究所が神奈川県大和市のIBM大和事業所に移転し、以降も様々な技術革新を続けました。1993年には連続コヒーレント紫外線生成の世界記録を樹立し、1996年にはJava JITコンパイラを開発、IBMの主力プラットフォームに搭載されることとなりました。

他にも、視覚障害者向けのソフトウェア技術の開発や、IBMのホームページリーダー、aiBrowserを提供するなど、多岐にわたる技術的進展を実現しています。2012年には豊洲に移転し、2015年には日本IBM本社内へと再び移動しました。

研究分野

東京基礎研究所の研究者たちは、様々な科学や工学分野において画期的な成果を上げており、国際的な会議や雑誌に多数の論文を発表しています。また、IBMの製品やサービスの礎を築く技術を開発しており、特許も多く出願されています。研究の主な分野には、マイクロデバイス、システムソフトウェア、コンピュータセキュリティ、プライバシー、解析、最適化、ヒューマンマシンインターフェース、組み込みシステム、サービス科学が含まれます。

その他の活動

東京基礎研究所は、日本の大学と連携して研究プログラムを支援しており、Shared University Research（SUR）プログラムの下、日本の大学にそれぞれ必要な資源を提供しています。1987年には日本IBM科学賞を創設し、物理学、化学、コンピュータ科学、電子工学の分野で優れた業績を挙げた45歳以下の研究者を表彰しています。

出身者

初代所長の小林久志をはじめ、東京基礎研究所の出身者は数多くが大学の教員に転身し、日本の高等教育の発展に寄与しています。彼らの研究成果や教育への貢献は、現在も日本の学界に多大な影響を与え続けています。

このように、IBM東京基礎研究所は日本における研究開発の中心地として、革新を追求し続ける重要な役割を果たしています。

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