IELTS

IELTS：国際的な英語能力試験のすべて

IELTS (International English Language Testing System) は、世界中で広く認められている英語能力試験です。ケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationの3機関が共同で運営しており、英語圏の大学進学や移住を希望する人にとって、必須の資格となっています。

試験概要

IELTSは、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を評価します。各技能は0～9.0点のバンドスコアで採点され、合計スコアで英語能力を示します。合格不合格はなく、大学や機関が求めるスコアに応じて判定されます。試験結果は、通常2年以上経過したものは有効とみなされません。イギリス英語をベースとして出題されますが、様々な英語圏のアクセントが含まれるため、幅広い英語力が必要です。TOEICやTOEFLと異なり、問題用紙への書き込みが許可されている点も特徴です。

試験モジュール

IELTSには、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2種類があります。

アカデミック・モジュール: 大学や高等教育機関への入学を目的とした受験者向けです。学術的な内容の文章や問題が出題されます。
ジェネラル・トレーニング・モジュール: 就職や移民ビザ申請など、一般的な生活場面での英語運用能力を測ることを目的としています。日常生活に関連した内容の問題が出題されます。

イギリス、オーストラリア、カナダなど多くの英語圏の国々の教育機関でIELTSのスコアが認められており、アメリカ合衆国でも3000以上の大学がIELTSスコアを入学条件としています。また、オーストラリア、ニュージーランド、カナダへの移民申請にも必要です。大学や機関によって必要なスコアは異なりますが、多くの場合、総合バンドスコア5.5～7.0が求められます。

試験構成

各セクションの詳細な構成は以下のとおりです。

リスニング

試験時間: 40分
問題数: 40問

ネイティブスピーカーによる会話や講義の音声を聞き、設問に答える形式です。様々な問題形式が出題され、イギリス英語を中心に、多様なアクセントの音声が使用されます。

リーディング

試験時間: 60分
問題数: 40問

3つの長文（計約2150～2750語）を読み、様々な形式の問題に答えます。アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールでは、問題文の内容や形式が異なります。アカデミック・モジュールでは、学術的なトピックに関する文章、ジェネラル・トレーニング・モジュールでは、日常生活に関連した文章が出題されます。

ライティング

試験時間: 60分
問題数: 2問

2つのタスク（各約150語と250語）をこなす形式です。タスク1はグラフや図表の説明、または手順の説明、タスク2は与えられたテーマに対するエッセイ作成です。アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールでは、タスクの内容が異なります。

スピーキング

* 試験時間: 11～14分

ネイティブスピーカーの試験官との面接形式で行われます。3つのパートからなり、自己紹介から始まり、与えられたトピックについてのスピーチ、さらにそのトピックに関する質疑応答を行います。

バンドスコア

各技能は0～9.0点で評価され、0.5刻みでスコアが示されます。

世界と日本の傾向

世界中で年間290万人以上が受験しており、その数は増加傾向にあります。中国、インド、イギリスが受験者数の多い国です。日本では、2010年から日本英語検定協会がIELTSの運営に携わっており、受験者数は増加しています。近年はコンピュータベースのIELTS試験も導入され、より多くの受験機会が提供されています。

受験時の注意点

試験会場への持ち込み可能なものは制限されており、本人確認書類として日本国旅券のみが認められています。また、試験中は休憩時間がないため、トイレ休憩は試験時間内に済ませる必要があります。

受験代金と支払い方法

ペーパー試験の受験料は25,380円です。コンピュータ試験は実施団体によって料金が異なります。支払いはクレジットカード、コンビニ収納代行、郵便局ATMから選択可能です。

IELTSは、英語運用能力を正確に評価する試験として、世界中で信頼されています。受験を検討する際には、自身の目標スコアや受験モジュールの選択を慎重に行うことが重要です。

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