IHI原動機

IHI原動機について

IHI原動機（IHI Power Systems Co., Ltd.）は、東京都千代田区外神田に本社を置く企業で、ディーゼルエンジンやガスタービン、推進装置の製造・販売を行っています。この会社はIHIグループに属し、主に舶用、陸上用、車両用の機器を手がけています。IHIの歴史は古く、1919年に遡ることができ、新潟鐵工所の原動機部門を前身としています。特筆すべきは、日本で初めて舶用ディーゼルエンジンを開発したことです。

沿革

IHI原動機は、数々の重要な歴史的変遷を経て成り立っています。2001年11月、新潟鐵工所は会社更生法の適用を申請し、2003年2月には新潟原動機株式会社を設立して原動機事業を継承しました。この後、2019年にはIHI本体の航空機転用型ガスタービンの事業を新潟原動機へ移し、さらにディーゼルユナイテッドを吸収合併することで、社名も株式会社IHI原動機に変更されています。

2022年には子会社としてIPS相生を設立し、2023年には舶用大型エンジンのライセンス事業をIPS相生に継承し、その全株式を三井E&Sに譲渡しました。また、2024年4月には、船舶用及び陸上用エンジンに関する燃費データの改ざんが発表され、内部告発によりこの問題が明らかになりました。

取扱製品

IHI原動機が提供する製品は、広範囲にわたります。ディーゼルエンジンは、「ニイガタディーゼル」ブランドで知られ、以前からの「DU-S.E.M.T.Pielstick」や「DU-WinGD」の製品も存在していましたが、これらは2023年に三井E&Sに譲渡されています。また、ガスタービンエンジンについては、IHI独自の「IM270」やゼネラル・エレクトリックとのライセンス契約に基づく「LMシリーズ」を展開しています。

舶用エンジン

• - 低速、中速、高速ディーゼルエンジン
• - 発電用及び多目的ディーゼルエンジン

特に、16V20FXというモデルは軽油だけでなく、A重油も使用できるため、MTU製の代替として多くの高速巡視船に採用されています。

陸用エンジン

IHI原動機が提供する陸用エンジンには、不織布発電装置用と常用発電装置用のディーゼルエンジンやガスエンジンが含まれています。これにより、様々な発電ニーズに応える製品ラインをそろえています。

推進装置

舶用のZ型推進装置は、固定ピッチプロペラ（FPP）と可変ピッチプロペラ（CPP）があり、特に海上交通において重要な役割を果たしています。

事業所

IHI原動機は全国に支店や営業所を持ち、主要な拠点は北海道、東北、新潟、名古屋、大阪、九州等に配置されています。また、太田工場、新潟内燃機工場、新潟鋳造工場などの生産センターも持ち、広範な製造体制を整えています。

結論

IHI原動機は、長い歴史と数々の製品を通じて、舶用、陸用、車両用エンジンの分野で重要な地位を占めており、技術の進歩と市場の変化に対応していく姿勢を持ち続けています。業界のニーズに合った製品を提供し、持続可能なエネルギーソリューションを模索していくことが今後の課題とされています。

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