II型ケフェイド変光星

II型ケフェイド変光星についての詳細

II型ケフェイド変光星（Type II Cepheid）は、1日から50日間の脈動周期を持つ変光星類の一群です。これらの星は、主に金属量が少なく、質量も小さい種族IIに属しています。他のセファイド変光星と同様に、II型セファイドも周期と光度の関係が成り立っており、そのため、他の観測データが少ない場合でも、距離を測定するための重要な標準光源として重宝されています。

このII型セファイドは、特に明るいものは局所銀河群の外側に位置する天体でも確認されており、例えばNGC 5128やNGC 4258といった銀河においても観測が行われています。

分類について

II型ケフェイド変光星は、かつて「おとめ座W型変光星」として知られていましたが、現在は周期に基づいていくつかのサブクラスに分けられています。具体的には以下のように分類されます：

• - ヘルクレス座BL型変光星：周期が1日から4日
• - おとめ座W型変光星：周期が10日から20日
• - おうし座RV型変光星：周期が20日以上で、深い極小期と浅い極小期が交互に現れるもの

おうし座RV型変光星は、深い極小期から次の深い極小期へと約40日以上の周期を持つものとして特徴付けられています。ただし、これらの分類には必ずしも明確な合意が得られているわけではなく、例えばヘルクレス座BL型とおとめ座W型の境界は時に4日から10日の間とされることがあります。また、おうし座RV型変光星の中には明確な極小期が存在しないものもあれば、おとめ座W型には逆に極小期が存在するものもあるため、この分類には若干の曖昧さが残っています。

各タイプは異なる進化段階を示していると考えられ、ヘルクレス座BL型はヘリウム中心核を燃焼させている天体、おとめ座W型は水素やヘリウム殻を燃焼させている天体、おうし座RV型は進化の過程で核融合が終わったり、その付近に位置する天体です。

おうし座RV型は特に光度曲線が不規則であり、極大および極小の光度の変化が遅く、時にはカオス的な動きを示すこともあります。たて座R星はこの不規則な変光の一例です。

物理的な特性

II型ケフェイド変光星の物理的な詳細についてはまだ多くが分かっていません。一般的に、太陽と同程度またはそれ以下の質量を持つと考えられていますが、実際に質量が特定された例はごくわずかです。

周期-光度関係

このタイプの星は、古典的なセファイドと比較して約1.6等級ほど暗い特徴があります。これは、II型セファイドが銀河中心や球状星団、さらには他の銀河との距離測定に活用される際に考慮される重要な要素です。

II型ケフェイド変光星は、そのユニークな脈動特性と、距離を測定するための重要な役割により、天文学における研究の対象として価値のある存在です。

もう一度検索