ケフェイド変光星

ケフェイド変光星とは

ケフェイド変光星とは、HR図上で特定の不安定帯に位置し、周期的に明るさを変化させる脈動変光星の一種です。これらの星は、その特性から宇宙における重要な光源として認識されています。英語では「Cepheid variable」と呼ばれ、別名にはセファイドやケフェウス座δ型変光星などがあります。ここでは、この変光星の特性や分類、そしてその利用方法について解説します。

分類と特徴

ケフェイド変光星はさらにいくつかの亜種に分類されます。主なものとして、種族Iのケフェウス座δ型（DCEP）と種族IIのII型ケフェイド（CW）があります。これらの星は、絶対等級が比較的大きく、主にスペクトル型F〜Kに属する黄色超巨星で、周期的に明るさを変えます。

明るさの変化

ケフェイド変光星は、一般的に明るさの変化範囲が1等から2等で、変光周期は2日から50日程度です。また、驚くべきことに、変光周期が長いほど絶対等級が明るくなるという特性も持っています。この特性は「周期光度関係」として知られ、天文学者が星までの距離を測定する際に非常に重要な鍵となります。この関係を利用することで、実視等級と変光周期を測定し、ケフェイド変光星を基準にした距離の測定が可能となるのです。

宇宙測定の重要性

ケフェイド変光星は、宇宙の「灯台」としての役割を果たしています。年周視差（地球の公転による視点の変化を利用した距離の測定方）で測定することが難しい、数千光年以上の距離にある天体に対しても、これらの星を使用することで精密に距離を測ることができます。特に、非常に明るいケフェイド変光星は他の銀河でも識別可能で、そのための距離の測定が可能です。

主なケフェイド変光星の例

ケフェイド変光星は多くの種類がありますが、その中からいくつかの代表的な星を紹介します。

• - ケフェウス座δ星: この星は5.366日の周期で明るさを3.48等星から4.37等星の範囲で変化させます。
• - いっかくじゅう座T星: こちらは27.025日の周期で、明るさは5.58等星から6.62等星の範囲で変動します。
• - おとめ座W星: この星は17.234日の周期で、明るさを9.46等星から10.75等星の範囲で変化させます。
• - ヘルクレス座BL星: 1.307日の周期を持ち、9.70等星から10.62等星の範囲で明るさを変えます。

おとめ座W型変光星は、II型ケフェイド変光星に分類され、多様性を持つことが特長です。

まとめ

ケフェイド変光星は、宇宙の距離を測るうえで非常に重要な役割を果たしており、その特性は天文学の発展に寄与しています。ヘンリエッタ・スワン・リービットによる研究が示すように、変光周期と光度には相関関係があり、その発見を基にした距離の測定は、天文学の重要な手法となっています。これらの星の研究を通じて、宇宙の理解が深まることが期待されます。

もう一度検索