IMS

IMS（Information Management System）について

IBMが1968年に発表したIMS（Information Management System）は、商用システムとしては初の本格的なデータ管理ソリューションであり、主にメインフレーム環境において利用されています。このシステムは、トランザクション処理とデータベース管理を統合した二つの主要なコンポーネントを備えています。これにより、特に高い信頼性、可用性、処理速度が求められるデータ処理のニーズに対応しています。

主なコンポーネント

IMSは、以下の2つの基本機能から構成されています：
1. IMS Transaction Server (IMS TM): トランザクション処理システムで、エンドユーザーのリクエストを効率良く処理します。旧称はIMS Data Communication (IMS DC)です。
2. IMS Database Server (IMS DB): 階層型データモデルに基づくデータベース管理システムです。これにより、データの構造が非常に効率的に管理されます。

これらの機能は併用することも可能で、1つだけの使用も許可されているため、統合されたIMS TM/DBとしても知られています。さらに、IMS DBは他のトランザクション処理システムとも連携が可能です。

特徴と利点

IMSは、その設計により非常に大規模な情報システムに適しています。その主な特徴は以下の通りです：

• - 階層型データモデル: 質の高い応答時間を実現し、特に頻繁にアクセスされるテーブルについてはメモリ上に展開することが可能です。
• - 高機能クラスタ技術: XRF（Extended Recovery Facility）により、システム間の引継ぎ時のダウンタイムを最小化します。
• - 柔軟なプログラム適用: 修正プログラム（FIX）の単独取り寄せや適用が可能です。

ただし、IMSを効果的に利用するためには、特定のスキルが求められます。これには、データ照会言語DL/Iの習熟や、メインフレーム運用に関する知識が含まれます。さらに大規模システムでは、金融機関向けのパッケージである「SAIL/ESA」を組み合わせて使用することが一般的です。

歴史的背景

IMSは、1966年にアポロ計画のロケットパーツの管理のためにIBMにより設計が開始されました。1968年には初めて稼働し、その後数十年にわたってIBMのメインフレーム環境で中心的な役割を果たしてきました。IMSは、JavaやXML、Webサービスなどもサポートし、時代に適応した進化を遂げています。

IMS DBの種類

IMSのデータベースには大きく分けて、フル・ファンクション・データベース、ファスト・パス・データベース、High Availability Large Databases（HALDB）が存在します。これらはそれぞれ異なる特性を持ち、特定のビジネスニーズに応じたデータ管理を可能にします。

トランザクションマネージャー（IMS TM）

IMSはトランザクション処理の領域でも高い評価を受けており、特に金融分野においてその地位を確立しています。IMS TM（またはIMS DC）は、業務アプリケーションとユーザーの間でトランザクションを管理し、正確かつ効率的に処理する役割を担っています。銀行の預金引き出しなど、実際の業務プロセスにも広く利用されています。

結論

IMSは、堅牢なトランザクション管理機能と高効率なデータベース管理を兼ね備えた重要な情報システムであり、大規模なデータ処理を必要とする組織にとって、非常に価値のあるツールといえるでしょう。

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