INO hidefumi

INO hidefumi (猪野秀史) - 音楽への情熱と探求の軌跡

INO hidefumi、本名 猪野秀史は、日本の音楽シーンで独自の存在感を放つ音楽家です。宮崎県延岡市で生まれ、キーボーディスト、シンガーソングライターとして多岐にわたる活動を展開しています。

生い立ちと音楽との出会い

1970年、猪野秀史は延岡市で2人兄弟の次男として誕生しました。幼少期は自然豊かな環境で過ごし、初めて親に買ってもらったレコードはYMOの『ライディーン』、自身で購入したのは『太陽にほえろ!』のサウンドトラックでした。母親の勧めで5歳からピアノを習い始め、高校3年生まで複数の教室に通い、音大受験のために声楽も学びました。中学時代には吹奏楽部でチューバを担当するなど、幼い頃から音楽に囲まれた日々を送りました。

高校時代には、ヤマハの「TEENS' MUSIC FESTIVAL」でベストキーボーディスト賞を受賞。音楽の道に進むことを希望しましたが、両親の反対により断念。

福岡での模索とバンド活動

大学受験では国公立大学のみを許され、福岡の予備校で2浪。大学進学はせず、その間、バンド活動や映画鑑賞に没頭しました。友人たちと結成したThe Lublitesでは、1960年代ロックのカバーを中心にオルガンとボーカルを担当。地元での活動が話題を呼び、大阪や東京のライブハウスにも出演するようになりました。しかし、バンドでの上京は実現せず、バンドは自然消滅。この経験が、彼が本格的にソロでの音楽制作を始めるきっかけとなりました。

A.P.C.での経験と上京

1996年、猪野秀史はアパレルブランドA.P.C.に就職します。音楽レーベルを持つ同社で、彼は福岡店の店長として採用され、デザイナーのJean Touitouに見出されます。しかし、音楽への夢を諦めきれず、2000年にA.P.C.を退社し、30歳で上京を決意。

上京後の苦難とレーベル設立

上京後、猪野秀史は職探しに苦労しながら、デモ音源を制作しレコード会社に持ち込みますが、全て断られます。そこで彼は、自らのレーベルを設立することを決意。マネージャーとなる妻と共に借金をし、2002年に音楽レーベル事務所兼カフェ「テネメント」を恵比寿にオープンしました。約3年間で借金を返済し、会社を設立、「innocent record」を立ち上げました。レーベル名は、音楽家 小西康陽が命名しました。アルバム制作から著作権管理、アートワーク、ライブ制作まで、全ての業務を夫婦二人で運営するスタイルは、DIYインディーズレーベルの先駆けとなりました。

デビューと躍進

フェンダー・ローズピアノを偏愛する猪野秀史は、ローズピアノをメインにしたインストゥルメンタル作品を数多く制作。2005年に初の7インチシングルをリリースし、「期待の超大型新人(身長)」というキャッチコピーでデビュー。2006年にはアルバム『Satisfaction』をリリースし、ノンプロモーションながらオリコンにランクインするなど、大きな話題を呼びました。

当初はライブ活動を行う予定はありませんでしたが、「フジロックフェスティバル」や「ライジング・サン・ロックフェスティバル」など、数々のライブオファーを受け、ライブ活動を開始。2007年にはLIQUIDROOMで初のソロライブを行い、チケットは即完売となりました。

さらなる音楽性の追求

2009年、ロイ・エアーズ来日ツアーで対バンを務めたことがきっかけで、日本人としてのリズムやグルーヴ、音楽との向き合い方を追求するようになりました。2012年からは鈴木茂とのライブを始め、林立夫、ハマ・オカモトを加えた4人でのライブツアーも行っています。2018年には初の歌ものアルバム『SONG ALBUM』をリリースし、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、小西康陽ら多くの著名ミュージシャンがコメントを寄稿しました。また、2020年東京オリンピック閉会式では、彼の楽曲「思えば世界はあまりにも美しい」が使用されました。

現在の活動

INO hidefumiは、現在も精力的に音楽制作、ライブ活動を行っています。フェンダー・ローズピアノの音色を追求し、ジャンルにとらわれない独自の音楽世界を表現し続けています。彼の音楽は、多くの人々に感動とインスピレーションを与え続けています。

主なライブ出演
"Satisfaction Tour" 全6公演
“TAICOCLUB" Fes.2007
"ライジング・サン・ロックフェスティバル" 2007 - Moon Circus Stage

ディスコグラフィー
Billie Jean / Never Can Say Goodbye（2005年）
Spartacus / Blood is Thicker Than Water（2005年）
Satisfaction（2006年）
* Living Message（2008年）

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