IPhone 3GS

iPhone 3GSの概要

iPhone 3GSは、Appleが開発・販売したタッチスクリーン式のスマートフォンであり、iPhoneシリーズの第3世代モデルです。2009年6月8日に発表され、前モデルであるiPhone 3Gの後継機種として登場しました。

主な特徴

カメラ機能の強化: 高解像度での写真撮影に加え、ビデオ撮影機能も搭載されました。
ボイスコントロール: 音声による操作が可能になりました。
通信速度の向上: 下り最大7.2MbpsのHSDPAに対応しました（ただし、上り速度は384kbpsのまま）。
パフォーマンスの向上: 内部処理速度が向上し、よりスムーズな動作が可能になりました。

発売

iPhone 3GSは、2009年6月19日にアメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパの一部地域で発売され、その後、オーストラリア、日本を含む世界各国で販売されました。発売から1週間で100万台以上を売り上げるなど、大きな成功を収めました。

歴史

発表当初は「iPhone 3G S」という名称でしたが、実際には「iPhone 3GS」として発売されました。その後、Appleの公式ウェブサイトでは「iPhone 3Gs」という名称が使用されるようになりました。

機能

iPhone 3GSの大きな特徴は、内部処理速度の向上です。モデル名にある「S」は「Speed」を意味しています。

ディスプレイ

3.5インチのタッチスクリーンディスプレイは、LGエレクトロニクスが製造し、480x320の解像度を備えています。色再現性を高めるための24ビットカラーエミュレーションや、指紋がつきにくい疎油性コーティングが施されています。

カメラ

3メガピクセルのカメラは、オートフォーカス、ホワイトバランス、オートマクロ機能を備え、VGAビデオの録画にも対応しています。カメラアプリには、写真とビデオ撮影を切り替えるスライダー機能や、タップによるフォーカス設定、デジタルズーム機能などが搭載されています。

プロセッサとメモリ

Samsung APL0298C05プロセッサを搭載しており、CPUはARM Cortex-A8、GPUはPowerVR SGX 535です。256MBのeDRAMを搭載し、前モデルの2倍の容量を実現しています。これにより、アプリケーションの起動速度が向上しました。

ストレージ

ストレージはフラッシュメモリに保存され、SIMカードには保存されません。当初は16GBと32GBモデルのみでしたが、後に8GBモデルも追加されました。

電源とバッテリー

1219mAhのリチウムイオンポリマーバッテリーを搭載しています。バッテリー残量をパーセント表示する機能が初めて搭載されました。ビデオ再生で約10時間、Wi-Fiでのウェブ閲覧で約9時間、音楽再生で約30時間の使用が可能とされています。

磁気センサー

内蔵された磁気センサーにより、コンパスアプリで磁場の方角を表示することが可能です。

接続

下り最大7.2MbpsのHSDPAに対応し、高速ダウンロードが可能になりました。また、Nike+iPodセンサーが内蔵され、外部センサーなしでNike+iPodが使用できるようになりました。Bluetoothはバージョン2.1に対応しています。

ボイスコントロール

ホームボタンの長押しで起動するボイスコントロール機能は、音声による電話や音楽操作を可能にしました。

アクセシビリティ機能

VoiceOver、色反転、テキストズームなど、アクセシビリティ機能が初めて搭載されました。

デザイン

背面は光沢プラスチックで、エッジは持ちやすいようにテーパー状に加工されています。ボタンは金属製です。下部の文字の色が、前モデルの灰色から銀色に変更されました。16GBと32GBモデルでは白と黒のカラーが選択できましたが、8GBモデルは黒のみでした。

評価

iPhone 3GSは、性能向上により概ね良好な評価を受けました。ただし、新機能の多くはソフトウェアアップデートでも対応できるため、新しいモデルを購入する必要はないという意見もありました。

主な評価

CNET: バッテリーの持続時間とパフォーマンスの向上を評価。
Engadget: パフォーマンスの向上を「期待を超えるスピードバンプ」と評価。
Macworld: iOS 4へのアップデートを高く評価。

iOS

iOS 6.1.6までのアップデートが可能でしたが、iOS 7.0へのアップデートは対応していません。

問題点

オーバーヒート

一部のユーザーから、頻繁な使用によるオーバーヒートや変色が報告されました。変色は主にケースとの摩擦が原因でした。

Appleの対応

Appleは、発熱対策として、高温下での使用を避けるよう呼びかけ、端末の温度検知機能が安全基準に準拠していることを説明しました。

継続サポート

iPhone 4S発売後も、3GSは廉価版として販売されました。

ブートログとベースバンドアップデート

2009年9月、Appleはセキュリティ上の脆弱性を修正したモデルを発売。また、2011年にはベースバンドチップを密かにアップデートしました。

その他

iPhoneのタイムライン
関連項目
iOSの搭載機器一覧
iPhoneの歴史

脚注

出典

外部リンク

iPhone 3GS - 技術仕様

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