IPhone 6 Plus

iPhone 6 Plus

iPhone 6 Plusは、Appleが開発・販売していたiPhoneの第8世代モデルです。2014年9月10日にiPhone 6、Apple Watchとともに発表され、同年9月19日に日本を含む複数国で先行発売されました。日本ではソフトバンク、au、ドコモの各キャリアとApple StoreでSIMフリー版が販売されました。

概要

iPhone 6 Plusは、従来のiPhoneとは異なり、5.5インチという大型ディスプレイを搭載したモデルです。これは、iPhoneシリーズで初めて5インチを超える画面サイズを実現したもので、より多くの情報を表示できるようになりました。例えば、メール一覧ではiPhone 6が最大5件表示するのに対し、本機では最大6件表示できます。また、画面表示を一時的に下げて片手で操作しやすくする「簡易アクセス」機能も追加されました。ディスプレイは「Retina HD display」と称され、コントラスト比の向上や視野角の拡大が図られています。

主な特徴

ディスプレイとデザイン

5.5インチのRetina HDディスプレイ（1920 x 1080ピクセル、401ppi）は、従来機よりも表示情報量が多く、横向き時にはiPadのように最適化された表示が可能です。本体サイズは大型化しましたが、厚さは7.1mmとiPhone 5sより薄くなっています。しかし、薄型化によって本体が折れ曲がる可能性も指摘されました。

パフォーマンス

SoCにはApple A8チップを搭載し、CPU性能は25%、GPU性能は50%向上しました。モーションコプロセッサーM8も搭載し、気圧計による高度情報の取得も可能です。

カメラ

背面カメラiSightは、Focus Pixelsによるオートフォーカス性能の向上や顔検出機能の性能向上が特徴です。動画撮影では、60fps/30fpsの1080p HDビデオ撮影、240fps/120fpsの720pスローモーション撮影、タイムラプスビデオ撮影に対応。さらに、光学手ぶれ補正も搭載しています。前面カメラFaceTimeカメラはF値が2.2と明るくなりました。

ストレージとカラー

ストレージは16GB、64GB、128GBの3モデル体制で、128GBモデルが初めて登場しました。カラーはスペースグレイ、ゴールド、シルバーの3色が用意されています。

新機能

NFC機能が追加され、Apple Payに対応しました。ただし、発売当初はApple Pay専用であり、他の決済サービスには利用できませんでした。

通信システム

LTEの通信速度が最大150Mbpsに向上し、キャリアアグリゲーションにも対応しました。TD-LTEはBand 41に対応し、VoLTEでの通話も可能です。Wi-FiはIEEE 802.11acに対応し、一部キャリアではWi-Fi Callingも利用できます。

日本での通信環境

日本では2.5GHz帯TD-LTE（Band 41）と700MHz帯（Band 28）に対応しましたが、1.5GHz帯（Band 11、21）は非対応でした。各キャリアは、それぞれの周波数帯で高速通信を提供しました。

急速充電

Apple 10Wまたは12W USB電源アダプタを使用することで急速充電が可能で、30分で約50%まで充電できます。MacのUSBポートでも最大2.1Aでの急速充電が可能です。

発売日でのトラブル

日本で初めてSIMフリー版が発売された際、中国人バイヤーが転売目的で大量に押し寄せ、店舗でトラブルが発生しました。これは、中国国内での発売が遅れたことや、円安の影響で日本での購入が有利だったことが要因です。この問題を受け、Appleは翌年のモデルから発売日を調整し、予約販売を徹底するなどの対策を講じました。

不具合

カメラの不具合

特定のシリアル番号の個体において、iSightカメラの不具合により写真がぼやけて見える問題が発生し、Appleは無償交換を実施しました。

パフォーマンス低下

iPhone 6 Plusは、高解像度であるにもかかわらず、iPhone 6と同じ1GBのメモリしか搭載していないため、パフォーマンスが低下する可能性が指摘されました。

サポート状況

iOS 13ではサポート対象外となりましたが、iOS 12のサポートは2024年10月現在も継続されています。

参考

* iPhone 6 Plus - 技術仕様

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