IPhone SE (第1世代)

iPhone SE（第1世代）の詳細解説

iPhone SE（第1世代）は、Appleが2016年3月31日に発売したiPhoneの第9世代モデルです。Special Editionの略であるSEの名が示す通り、iPhone 5sの後継機として、小型で安価なモデルを求めるユーザーに向けて開発されました。このモデルは、iPhone 6sと同等の性能を保持しながら、iPhone 5sのデザインを継承している点が大きな特徴です。

概要

2016年3月21日、Appleのスペシャルイベントで9.7インチiPad Proと共に発表されました。同月24日に予約受付が開始され、31日に予約分の発送と同時に店頭販売も開始されました。その後、4月4日には販売国が拡大され、計46カ国での販売となりました。

iPhone SEのサイズはiPhone 6sよりも小さく、iPhone 5sと同一ですが、内部スペックはiPhone 6sと同等です。iSightカメラやCPUなどの主要な性能はiPhone 6sと同レベルでありながら、3D TouchやTaptic Engine（ハプティクス）は搭載されていません。FaceTimeカメラの解像度や最大通信速度はiPhone 6と同等であり、Touch IDセンサーは第1世代のものが採用されています。このように、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6sの要素が混在したモデルとなっています。

バッテリーの持続時間も向上しており、iPhone 5sの10時間、iPhone 6/6sの11時間に対して、iPhone SEは13時間の駆動時間を実現しています。このバッテリー駆動時間は、SE世代以降のiPhone 7、8、SE（第2世代）でも同様です。

画面サイズは4インチで、これもiPhone 5sと同じです。カラーバリエーションは、シルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色で展開され、背面には陽極酸化処理が施されています。また、iPhone 5sでは光沢があったエッジ部分が、iPhone SEでは非光沢処理に変更されています。

日本国内では、AppleのSIMフリーモデルに加えて、au、NTTドコモ、SoftBankの大手3キャリア、さらにY!mobileやUQ mobileといった格安ブランドでも販売されました。

BCNの調査では、2017年にAndroid端末を含めたスマートフォン全体で3番目に売れた端末となっています。しかし、2022年6月7日に発表されたiOS 16では、iPhone 6s / 6s Plus / 7 / 7 Plus / iPod touch (第7世代)とともにサポート対象外となりました。

通信システム

モバイル通信では、LTEの周波数帯が最大19バンドに対応しており、日本国内ではA1723モデルが販売されました。下り最大150Mbpsの通信速度に対応し、VoLTE(AMR-WB)も利用可能です。

対応する周波数帯は以下の通りです。

LTE（バンド1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 18, 19, 20, 25, 26, 28）
TD-LTE（バンド38, 39, 40, 41）
TD-SCDMA 1,900（F）, 2,000（A）
CDMA EV-DO Rev. A（800, 1,700/2,100, 1,900, 2,100MHz）
UMTS/HSPA+/DC-HSDPA（850, 900, 1,700/2,100, 1,900, 2,100MHz）
GSM/EDGE（850, 900, 1,800, 1,900MHz）

日本国内でのLTE通信は、各キャリアで以下のようになっています。

NTTドコモ：PREMIUM 4Gに対応し、最大150Mbpsの通信が可能。キャリアアグリゲーションは非対応。
au：au 4G LTE、WiMAX2+に対応し、キャリアアグリゲーションは非対応。
* ソフトバンク：SoftBank 4G LTE、SoftBank 4Gに対応し、最大112.5Mbpsの通信が可能。キャリアアグリゲーションは非対応。

なお、3GのCDMAについては、EV-DO Rev.B（MC-Rev.A）には非対応のため、auのWIN HIGH SPEEDは利用できません。

Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/acに対応し、最大433Mbpsでの通信が可能です。Bluetoothは4.2に対応しています。

セキュリティ

修正不能なSecureROMにUse After Freeという問題が発見されていますが、これは物理的にアクセス可能な場合にのみ任意のコードが実行可能です。

iPhoneモデルのタイムライン

iPhone SE（第1世代）は、iPhone 6sとiPhone 7の間に位置するモデルとして、その後のiPhoneシリーズの展開に影響を与えました。小型で高性能なモデルの需要を示し、後のiPhone SE（第2世代）へと繋がっていきます。

まとめ

iPhone SE（第1世代）は、コンパクトなサイズながらも高い性能を持ち、幅広いユーザーに支持されました。現在ではiOSのサポートが終了していますが、そのコンパクトさと手頃な価格は、中古市場でも人気があります。

外部リンク

公式ウェブサイト)

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