ISAPI

ISAPI（Internet Server Application Programming Interface）は、MicrosoftのWindows NT系OSに搭載されているIIS（Internet Information Services）の多層APIであり、主にWebサーバーとしての機能を提供します。IISの機能を拡張するために、ISAPIは重要な役割を果たします。また、Apacheサーバーでは、mod_isapiモジュールを利用することで、IISのISAPIと互換性のある環境を構築できます。

ISAPIアプリケーションの構成要素

ISAPIアプリケーションは、主にExtensionsとFiltersという2つの構成要素から成り立っています。これらの構成要素はC++で開発され、作成したDLLファイルはIISに登録する必要があります。

ISAPI Extensions

ISAPI Extensionsを利用すると、プログラムはIIS上で動作するようになります。この拡張機能は、IISのすべての機能にアクセスすることを可能にし、より高度なWebアプリケーションの開発をサポートします。

ISAPI Filters

ISAPI Filtersは、IISの機能強化や修正を行うために利用されます。このフィルタ機能を利用すると、データの入出力を伴うプログラムを開発でき、IISの動作をカスタマイズできます。作成したプログラムはDLLファイルとして、特定のサイトレベル、または管理下にあるすべてのIISに登録することが可能です。

ISAPI Filtersは、主に以下のようなジョブに利用されています。

クライアントからのURLやHTTPヘッダのリクエスト解析
匿名または基本認証のコントロール
独自のアクセス拒否（HTTP 403）応答
トラフィック解析
独自の認証
暗号化や圧縮

これらの機能により、Webサーバーのセキュリティ強化、パフォーマンス最適化、およびユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。

代表的なISAPIアプリケーション

ISAPIを利用したアプリケーションとして、以下のようなものが挙げられます。

Active Server Pages (ASP)
ASP.NET
Perl ISAPI
PHP

これらのアプリケーションは、ISAPIの機能を利用して動的なWebコンテンツを生成し、Webアプリケーションの基盤として機能します。

ISAPIの開発

ISAPIを利用したアプリケーション開発は、Visual C++ 4.0以降でサポートされています。Visual C++のウィザードを利用することで、ISAPIフレームワークを容易に作成できます。開発は主にMFC（Microsoft Foundation Class Library）を用いて行われ、効率的な開発を支援します。ISAPIを用いた開発は、高度なWebアプリケーションやカスタムWebサービスを構築するための強力な手段となります。

ISAPIは、IISの機能を拡張し、Webサーバーのパフォーマンスやセキュリティを向上させるための重要な技術です。その柔軟性と拡張性により、様々なニーズに対応したWebアプリケーション開発を可能にしています。

もう一度検索